隣の席の悪魔【旧版】


「朝比奈くーん!」

女子の声。

振り向く。

空くんと同じクラスの女子たち。

「文化祭おつかれー!」

「このあと打ち上げ行こ!」

「カラオケ!」

楽しそう。

距離。

近い。

空くんも、
普通に話してる。

少し笑ってる。

……あ。

私は無意識に、
展示の方へ視線を逸らした。

その時。

「空も行こうや」

男子まで混ざってくる。

空くんは、
少しだけ黙る。

そのあと。

何も言わずに、
こっちを指差した。

え。

一瞬。

空気が止まる。

女子たちが、
ちょっと気まずそうに笑う。

「あ、そなんだー!」

そのまま去っていく。

静かになる。

私は、
まだ固まってた。

「……空くん」

「なに」

「カラオケ行かなくていいの?」

空くん、
普通の顔。

「走るし」

なんで。

そんな当たり前みたいに言うんだろ。
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