試してみない?私と一緒に

第9話 罪悪感

それから私は夢の内容を愛に話した。具体的には1年前に起きた出来事である。私はまだ忘れられなかったのだ。
「結局その担架に運ばれた女子生徒は亡くなった。」
いつになく真剣な眼差しで愛は聞き役に徹していた。
「あの時もし、私が単独で倉庫に乗り込んでいれば同じやり方で殺されていたかもしれない。学校に無断で侵入した無差別殺人者によって。」
「………」
「だから、私の判断は多分正しかった。でも、殺されたあの人に対する罪悪感は一生消えない。もしあの時、その人の助けに応じて引き返していたら。もしあの時、私が強かったら。もし、先生を呼ぶ判断が早かったら。いえ、そもそも私じゃない誰かが倉庫近くを通って助けの声を聞いていたら、きっと。きっと。」
涙が溢れる。我慢しているのに止まらない。
「……それは気の毒だね。その人も、舞も。」
一度愛は側を離れてティッシュ箱を取りに行って手前まで静かに持ってきてくれた。
「……舞。あーしがどうこう言える問題じゃないのはわかるけど、言わせて。舞は充分良くやったよ。じゃなきゃ殺人犯は捕まらなかったはず。それに……。」
途中で話を止めようとしたのか、考えているのか、言葉を制止した。そして、再び口を開いた。
「それに、舞は本当に優しいんだね。」
「ぇ?」
意外な答えが返ってきた。
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