試してみない?私と一緒に
第8話 過去は夢に出でる
寝ている愛を起こすわけにもいかず、かといって無断で立ち去るのも申し訳ない。よって、私もしばらく部屋に残ることにした。
「さて、どうしようか。」
好奇心を任せるなら部屋を出てこの広い洋館をくまなく回りたい。でも、ここでこの時間で迷うのはちょっと怖い。そろそろ幽霊が出てもおかしくない暗さだ。仕方なく私も寝ることにした。愛の隣に寝込んでソファの上で目を閉じた。
『いや!やめて!!』
学校の真裏、グラウンド横の倉庫から甲高い声が聞こえた。
私は押していた自転車を止め、振り返った。
ガタガタと物音がする。
文化祭後の学生達は皆、表の敷地内でキャンプファイヤを楽しんでいた。
夕日は更に傾き、薄青い世界が広がっていく。
そんな時、私は帰ろうとした。矢先、倉庫から不穏な声を聞いてしまった。
なんとなく、嫌な予感がした。
これは、行ってはいけないものと。
汗が噴き出す。顎が震えて歯をカチカチと小刻みに鳴らす。
助けたい。顔も名前も知らない人を。
でも、今の私が何をできる?先生方は表の敷地内か職員室にいるはず。でも、今助けないと、彼女はきっと。
私は自転車を置いて走り出した。
学校の玄関へ。
玄関から、誰もいない廊下を走って、階段を登って、電気のついた職員室へ駆け込んだ。
『どうした舞?こんな時に職員室に寄るなんて。』
『ハア、はあ、はあ。坂本先生!危ないんです!人が!倉庫で!』
私の緊急度が伝わったのか坂本先生は気を引き締めて頷いた。
『わかった。舞はここにいなさい。先生は万全を期して他の先生も呼んで裏の倉庫へ行ってみるから。とにかく、落ち着いて待ってなさい。僕の職員席、自由に使っていいから。』
『はい。』
そう言って坂本先生は走り出して行った。
それから数十分後、2階職員室窓から敷地のキャンプファイヤを眺めていると、校門出入り口から複数のパトカーと救急車が入ってきた。騒然とする学生と先生達。しばらくして、1台の担架が運ばれてきた。2階からだとよく見えなかったけど、担架には布で隠すように覆われた人影が仰向けに運ばれていた。
後日、その担架に乗っていた人物が判明した。
この学校の生徒だった。
「…い、…まぃ、……、舞?」
「ハッ!」
目を覚ますと呼吸が乱れていた。目の前には天井に吊るされたシャンデリアと美形な金髪をした愛の顔があった。酷く心配そうな表情だった。
「大丈夫?なんか『うゔ、うゔぅ』って唸っていたよ?」
「……そう、なんだ。」
ゆっくり起き上がって大きなソファの背もたれに背中を当てる。クラシックで大きな置き時計の針は22時を示していた。ボーン、ボーンと低い鐘を一定のリズムを響かせた。
「さて、どうしようか。」
好奇心を任せるなら部屋を出てこの広い洋館をくまなく回りたい。でも、ここでこの時間で迷うのはちょっと怖い。そろそろ幽霊が出てもおかしくない暗さだ。仕方なく私も寝ることにした。愛の隣に寝込んでソファの上で目を閉じた。
『いや!やめて!!』
学校の真裏、グラウンド横の倉庫から甲高い声が聞こえた。
私は押していた自転車を止め、振り返った。
ガタガタと物音がする。
文化祭後の学生達は皆、表の敷地内でキャンプファイヤを楽しんでいた。
夕日は更に傾き、薄青い世界が広がっていく。
そんな時、私は帰ろうとした。矢先、倉庫から不穏な声を聞いてしまった。
なんとなく、嫌な予感がした。
これは、行ってはいけないものと。
汗が噴き出す。顎が震えて歯をカチカチと小刻みに鳴らす。
助けたい。顔も名前も知らない人を。
でも、今の私が何をできる?先生方は表の敷地内か職員室にいるはず。でも、今助けないと、彼女はきっと。
私は自転車を置いて走り出した。
学校の玄関へ。
玄関から、誰もいない廊下を走って、階段を登って、電気のついた職員室へ駆け込んだ。
『どうした舞?こんな時に職員室に寄るなんて。』
『ハア、はあ、はあ。坂本先生!危ないんです!人が!倉庫で!』
私の緊急度が伝わったのか坂本先生は気を引き締めて頷いた。
『わかった。舞はここにいなさい。先生は万全を期して他の先生も呼んで裏の倉庫へ行ってみるから。とにかく、落ち着いて待ってなさい。僕の職員席、自由に使っていいから。』
『はい。』
そう言って坂本先生は走り出して行った。
それから数十分後、2階職員室窓から敷地のキャンプファイヤを眺めていると、校門出入り口から複数のパトカーと救急車が入ってきた。騒然とする学生と先生達。しばらくして、1台の担架が運ばれてきた。2階からだとよく見えなかったけど、担架には布で隠すように覆われた人影が仰向けに運ばれていた。
後日、その担架に乗っていた人物が判明した。
この学校の生徒だった。
「…い、…まぃ、……、舞?」
「ハッ!」
目を覚ますと呼吸が乱れていた。目の前には天井に吊るされたシャンデリアと美形な金髪をした愛の顔があった。酷く心配そうな表情だった。
「大丈夫?なんか『うゔ、うゔぅ』って唸っていたよ?」
「……そう、なんだ。」
ゆっくり起き上がって大きなソファの背もたれに背中を当てる。クラシックで大きな置き時計の針は22時を示していた。ボーン、ボーンと低い鐘を一定のリズムを響かせた。