試してみない?私と一緒に
第7話 親子の通話
まさかこんな住宅街に豪邸があるとは思わなかった。もしかして愛の両親は国の重役ではないか?だとすると、両親が滅多に帰らないのも納得できる。
大きな門を開けて敷地の中へ。玄関まで歩いて中へ。室内は意外にも閑散としていた。しかし、シャンデリアから床まで見るもの全てが眩しかった。大きな部屋へ案内されて更に中へ。大きなベッドと、小さな机があった。窓も飾りもソファもベッドも大きくて高級なのに、机だけごく一般的であった。ゆったりとしたソファに腰掛ける。
「いやー、今日は疲れたねー。」
愛は仕事帰りのおっさんみたいにダラケ出した。全身大に広げてソファに身体を預けるのみ。ボーっと天井を眺め始めた。
「じゃあ、ちょっとママに帰り遅くなると電話してくるね。」
「りょー。」
私は立ち上がって部屋の扉を開けて廊下へ出る。ポケットからスマホを取り出してママの連絡先から通話を開始する。
「あ、もしもしママ?」
「もしもし、舞?珍しいわね、舞から電話するなんて。」
うっ、確かに。夜は毎日家にいるし出かけの日もママの側付き添いっぱなしだから、こうしてママと離れて外出すること自体新鮮だ。それだけ引きこもりな子どもな証拠であります。
「まあ、うん。それで、例のお友達の家に寄ってもらったから、今日は多分、帰り遅くなるかも。」
ちなみにママは愛のこと知ってます。一応、他校の生徒とはいえ友達になったのは事実だから愛のことを話してみた。そしたらママは嬉しそうに聞いてくれた。これまで私のことを相当心配していたらしい。
「あらあら良かったじゃない。だったら遠慮なく泊まって来てもいいのよ。」
「えー、それはちょっと失礼じゃない?」
「そう?だって最近の舞、何だか元気そうだからさ。もしかしたらその愛って子と楽しく過ごしているのかなあなんて。」
鋭い。ママの洞察力と勘は結構当てはまる。
「確かに、まだ2回しか会ってないけど驚くほど相性良いのかもしれない。」
「ふーーん。……相性ねえ。」
「な、何?」
「いや、いつの間に舞がそんな言葉使うようになったとは、驚きですなあ。」
「あっ!」
思わず口を滑らしてしまった。他人からすると、相性と聞いて友達としての、という意味に聞こえるかもしれない。しかし、並外れた衛星通信の様に鋭いママからすると、相性は恋愛としての、意味に聞こえたかもしれない。別にママが単なる恋愛脳という訳ではない。ただ純粋に鋭いのだ。
「えっと、その……。」
最早何も言えない。
女同士ならきっと反対されるよね。
「……安心したわ。」
「え?」
「舞がそれほど人を想える人で。もちろん、『この子は将来同性同士の恋愛もするんじゃないか?』と想定していたから問題ないし、驚かないわ。ここは素直に、おめでとう!」
「うん!ありがとう!!」
こういう何事にも寛容で柔軟なママには尊敬しかない。きっと、世界の端でも滅多にいないだろう。それくらい理想的な理解者だ。そんなママと拗れたパパはやっぱりもったいない気がする。パパはまあ、優しいけど不真面目だから。そりゃママも怒るわけだ。
「とにかく、遅くなるから。」
「はーい。」
通話をゆっくり切る。
振り返り、後ろの扉を開けて再度部屋に入る。愛は変わらずソファの上で天井を眺めていた。ただ、近くに寄ると、目を閉じて静かに寝ていた。
大きな門を開けて敷地の中へ。玄関まで歩いて中へ。室内は意外にも閑散としていた。しかし、シャンデリアから床まで見るもの全てが眩しかった。大きな部屋へ案内されて更に中へ。大きなベッドと、小さな机があった。窓も飾りもソファもベッドも大きくて高級なのに、机だけごく一般的であった。ゆったりとしたソファに腰掛ける。
「いやー、今日は疲れたねー。」
愛は仕事帰りのおっさんみたいにダラケ出した。全身大に広げてソファに身体を預けるのみ。ボーっと天井を眺め始めた。
「じゃあ、ちょっとママに帰り遅くなると電話してくるね。」
「りょー。」
私は立ち上がって部屋の扉を開けて廊下へ出る。ポケットからスマホを取り出してママの連絡先から通話を開始する。
「あ、もしもしママ?」
「もしもし、舞?珍しいわね、舞から電話するなんて。」
うっ、確かに。夜は毎日家にいるし出かけの日もママの側付き添いっぱなしだから、こうしてママと離れて外出すること自体新鮮だ。それだけ引きこもりな子どもな証拠であります。
「まあ、うん。それで、例のお友達の家に寄ってもらったから、今日は多分、帰り遅くなるかも。」
ちなみにママは愛のこと知ってます。一応、他校の生徒とはいえ友達になったのは事実だから愛のことを話してみた。そしたらママは嬉しそうに聞いてくれた。これまで私のことを相当心配していたらしい。
「あらあら良かったじゃない。だったら遠慮なく泊まって来てもいいのよ。」
「えー、それはちょっと失礼じゃない?」
「そう?だって最近の舞、何だか元気そうだからさ。もしかしたらその愛って子と楽しく過ごしているのかなあなんて。」
鋭い。ママの洞察力と勘は結構当てはまる。
「確かに、まだ2回しか会ってないけど驚くほど相性良いのかもしれない。」
「ふーーん。……相性ねえ。」
「な、何?」
「いや、いつの間に舞がそんな言葉使うようになったとは、驚きですなあ。」
「あっ!」
思わず口を滑らしてしまった。他人からすると、相性と聞いて友達としての、という意味に聞こえるかもしれない。しかし、並外れた衛星通信の様に鋭いママからすると、相性は恋愛としての、意味に聞こえたかもしれない。別にママが単なる恋愛脳という訳ではない。ただ純粋に鋭いのだ。
「えっと、その……。」
最早何も言えない。
女同士ならきっと反対されるよね。
「……安心したわ。」
「え?」
「舞がそれほど人を想える人で。もちろん、『この子は将来同性同士の恋愛もするんじゃないか?』と想定していたから問題ないし、驚かないわ。ここは素直に、おめでとう!」
「うん!ありがとう!!」
こういう何事にも寛容で柔軟なママには尊敬しかない。きっと、世界の端でも滅多にいないだろう。それくらい理想的な理解者だ。そんなママと拗れたパパはやっぱりもったいない気がする。パパはまあ、優しいけど不真面目だから。そりゃママも怒るわけだ。
「とにかく、遅くなるから。」
「はーい。」
通話をゆっくり切る。
振り返り、後ろの扉を開けて再度部屋に入る。愛は変わらずソファの上で天井を眺めていた。ただ、近くに寄ると、目を閉じて静かに寝ていた。