期間限定カノジョはお断りです!

「彼女なのに距離遠くない?」

「いや、偽物だし」

「でも周りには本物って思わせないと」

さらっと言われて、言葉に詰まる。

すると一ノ瀬は、机に肘をついたまま少しだけ顔を近づけてきた。

「だからさ」

低い声。

近い。

「俺のこと、“しゅんくん”って呼んで」

心臓が止まりかけた。

「……は!?」

慌てて周りを見る。

幸い先生は黒板に夢中で、誰もこっちを見ていない。

でも近い。

顔が近い。

「な、なんで!?」

「その方が彼女っぽい」

「だからって急すぎるでしょ!」

すると一ノ瀬は、小さく笑った。

「試しに一回」

「嫌!」

「お願い」

「その顔ずるい!」

眠そうな目で見つめられる。

しかも少し笑ってる。

こんなの断れるわけない。

私は視線を逸らしながら、小さく呟いた。
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