声、好きです。……って告白じゃなかったのに!?
「けど、まなに出会って初めて、なったことの無い感情が生まれて」
震える私の肩を落ち着かせるように、彼は静かな、けれど熱のこもった声で言葉を繋いだ。
「お金じゃ愛は買えないんだって、その時に初めて気づいたんだ」
あんなに冷めていた彼の瞳が、今は切実なほどに私だけを映している。何万通ものメッセージや、積み上げられる投げ銭。
そんなものでは決して埋まらなかった彼の心の空白を、私の拙い言葉や、小さな配信が埋めてしまったというのだろうか。
「だから……俺には、まなしかいないんだよ」
画面の中の「王子様」ではなく、一人の不器用な男として吐露されたその本音。あまりに重くて、あまりに純粋な独占欲に、私の胸は苦しいほどに締め付けられた。
冷徹な暴露に感じた恐怖はいつの間にか消え、代わりに、彼を抱きしめてあげたいという、抗えない愛しさがこみ上げてくる。
そして自分でも気づかないうちに、私は彼を、自分の腕の中にそっと収めてしまっていた。冷徹な孤独を抱えていた彼が、あまりに愛おしくて、放っておけなかった。
「……嬉しい、です。私の些細な行動が、あなたの心を動かせたのなら」
私の胸に顔を埋める彼に、静かに言葉を紡ぐ。
出会って間もない、画面の中の存在だった男性にこんなにも絆されてしまうなんて。私も大概、おかしくて、ちょろいのかもしれない。
けれど、この鼓動の速さはもう、誤魔化しようがなかった。
「綾人くんが、大好きです。一人の男の人として……恋愛対象の意味で、好きです」
震える声で、けれどはっきりと、彼の言葉をなぞるようにして想いを返す。その瞬間、私の背中に回っていた腕に、さらに強い力が込められた。
ようやく重なった二人の体温が、部屋の空気を甘く、熱く塗り替えていく。