好きになった人は、みんなのアイドルで 3

42話 外の世界

ーー悠太郎サイド

「ちょっとこれ、支払いしてきて」
母さんが紙を渡してくる。

「やだよ、姉ちゃんが行けば」

「悠太郎、ちょっとは外に出た方がいいよ」
スマホをいじりながら姉ちゃんが答える。

「……やだよ」
人の目が、怖かった。
誰も、俺のことなんて知らないはずなのに。

「これでアイス買っていいよ」
姉ちゃんが千円札を渡してくる。

「アイスにつられないよ」

「仕方ない、じゃあ一緒に行くか」
姉ちゃんが立ち上がる。

「……もっとやだ」
「分かったよ、行くよ」

帰国した日以来の外だった。
もう9月も終わるのに、晴れていて日差しが暑かった。

道行く人は、皆何か目的を持って歩いてるように見える。
……俺は。

俺は、これから、どうしよう。
俺だけが、どこにも進めていない気がした。
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