好きになった人は、みんなのアイドルで 3

64話 手

東京駅まで悠太郎くんを迎えに行く。

両手が埋まっているから頭を振ってくれる。
……え、なんか荷物多くない?

「紬ちゃん、助けて」
「ごめん、これ持って」

「いいよいいよ、こんなにどうしたの?」

「ごめん、ほんとにごめん」
「家族が全部持ってけって、譲らなくて」

「えーなんだろ、嬉しい」
「ほんとにこんなに貰っていいの?」

ずっしりとした紙袋が二つ。

「ごめん、それ重いわ」
「こっち持って」

重い紙袋を取り上げられて、代わりに軽い紙袋を渡される。

「いいよ、こっちも持つよ。重いでしょ」

「いい、その手はこっち」
手を繋がれる。

何度されても、きゅんとする。
好きだなって思う。

「うん、分かった」
手を繋いで、私の家に向かう。
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