好きになった人は、みんなのアイドルで 3

89話 パーカー

「それは冗談として、どした?」
「元気無いじゃん」

「……彼氏、頑張りすぎてて」

海斗くんは悠太郎くんのことを知らないから、却って話しやすい。

「無理してて、心配で」
「でも私、何もできなくて」

やばい、泣きそう。

バサッとパーカーが降ってくる。
「なに、ちょっと」

「見てないから、泣けば」
「見えてないから」

不器用な優しさが嬉しかった。

パーカー越しに海斗くんが背中をさすってくれた。
パーカーは、知らない男の人の匂いがした。
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