君の言葉で夢を見たい
- おかえりなさいませ -
そこにはブラウスにベスト姿の彼女が涼しげな笑顔で立っていた。
半年前は黒いブレザーのような制服だった。
それが今は爽やかな夏服に変わっていて、あの日から季節が移り変わるほどの時間が経ったのだと実感する。
装いが変わっても、あの時と同じように制服をきちんと着こなした彼女の胸元には、真っ直ぐに付けられた名札が光っていた。
その文字はロビーの一面を覆うガラス窓から入ってくる夕日に照らされていて、よく見えない。
だけど胸元の名札を見続けるのもはばかられて、あわてて視線を外した。
それに――
まさかこんなにすぐに彼女と再会できるとは思っていなくて、心の準備が追いつかない。
ドキドキと速まる鼓動がバレないように空唾を飲み込む。
「いいえ、大丈夫です」
余裕があるように見せたくて、なんとかゆっくりと言葉を紡いで彼女の申し出を断った。
彼女は少し驚いた顔をして、すぐにふわりと微笑んだ。
「かしこまりました」
彼女はそう言って軽くお辞儀をした。
それが会話の終わりの合図みたいに見えて、頭の中が一瞬で熱くなる。
気づいた時には「あの」と、彼女を呼び止めていた。