クールな年上彼女は焼酎がお好き


「一度信用したら、警戒心が完全になくなっちゃうから、気を許すのは本当の本当に信じられる人だけって決めてるの」
「なるほど……」

 それがあの踏み込みにくいフラットな態度につながっていたのだ。
 冷たくするわけにはいかないから、気を配ったり優しくしたりはするけれど、誰に対しても徹底的に平等。義理のラインは絶対に越えない。
 強気の押しに弱いのは、作り上げたバリアを乗り越えられると、途端にどうしていいか分からなくなるから。
 警戒するかしないか、その間がないからこそ苦肉の策だったということだ。案外不器用な人だったんだな、と苦笑まじりに思う。

「てことは僕も、やっぱり信用されてなかったんですね……」

 一貫した冷静な態度も、お酒をセーブするのも、ガードを緩めてはいけない相手だと認識されていたからこそ。
 半ば予想していた事実だけれど、昨夜あれだけ睦みあったあとだから落胆が大きい。
 しかし頼子さんは、大きく首を横に振る。

「違うよ。オミくんはそれとは全然違うの。その……」

 口ごもって、不安げにこちらをうかがう。僕は促すように首を傾げた。

「なんですか?」
「……オミくんって、会社での私を好きになったんでしょう? クールじゃない私を見せたら、がっかりされないか、心配で……」
「それこそありえないでしょう」

 僕は当然のごとく否定するが、唇を結んだ彼女は納得いかない様子だ。

「だって、あんなに何度も告白したのに」
「好意が大きいほど、理想と違ったときの反動も大きいものなの」

 なんてネガティブな……という感想を抱いたが、ストーカーの被害に遭ったこともあるなら、そう感じても仕方がないのかもしれない。

「だったら僕のことは、本当に好き?」
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