クールな年上彼女は焼酎がお好き
なんだよ、ダバダ火振って。
飲み会から帰宅した僕はさっそくその銘柄についてスマホで調べていた。名前からして強そうだなと思っていたら、それもそのはず、日本酒ではなくて焼酎だった。
めずらしいことに栗を原料にしたお酒で、まろやかな口当たりが飲みやすく、通にも人気らしい。ほんのりとした甘みがあるとも書かれているが、アルコールに強くない僕から言わせてもらえば「でも、焼酎なんでしょう?」である。
焼酎を飲んだことは人生で一度くらいしかない気がするが、口に含んだ瞬間、カッと広がる強い香りと熱さは鮮明に印象に残っている。まさに飲兵衛の酒。
おじさんが飲むもの、というのはさすがに偏見が過ぎるかもしれない。だが、それをあの頼子さんが……と考えると違和感しかない。
実はおっさん女子?
「いや。いやいやいや。ないだろ」
凛としたたたずまいは清涼な風すら感じられるような女性なのだ。残念な私生活を想像するだけでも畏れ多い。
ひとまず適当な通販サイトで注文しておき、誘い文句にかなり苦心しながらもなんとか家飲みの予定をとりつけた。これをきっかけにほんの少しでも頼子さんに近づけたら、なんてささやかに期待していた。