ひとりが嫌で、今日も笑う。

「透羽?顔色悪くない?

「ほんとだ。大丈夫?」

「うん、大丈夫〜」


返事をした瞬間、喉が焼けるみたいに痛んだ。

でも私は笑った。


黒月のことを思い出す。

昨日、いちごミルクを抱えた夜。

あの温かさを思い出してしまうと、胸が苦しくなる。


近づいちゃだめ。

失うのが怖い。

でも、失いたくない。


そんな矛盾が痛む頭の中をぐちゃぐちゃにした。


昼休み、屋上へ向かう途中で足が止まった。

階段を上がるだけで息が苦しい。


でも行きたい。

行けば、誰かがいる。

ひとりじゃない。


私は壁に手をついて、ゆっくり上った。

屋上の扉を押す。

冷たい風が、熱を持った頬に当たって気持ちよかった。
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