転生令嬢は騎士からの愛に気付かない
「改めて、昨夜はお疲れ様。食事は取らせてあげられなかったけど、代わりに給金多く付けておくから、それで美味しいものでも食べて、また仕事頑張って」
「……そのお話、なのですが、今回のお仕事、わたしはきちんと完遂できませんでした。ですから給金は頂けません。……軽率な行動で、館長にもご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした」
「アシュリーちゃんがそう言うなら考えておくけど、ボクは謝罪より、ふたりがちゃんと話し合ってくれた方が嬉しいかなー?」
「そもそもその話って一体、何なんですか? 知ってるなら館長が教えてくれても──」
事情を知っているらしいローウェルが、何度も口にする言葉。そこに突っ込めば、躊躇なくローウェルは首を横に振った。
「それはだーめ。あまりのすれ違いっぷりがおもしろ……悲しくて、ここまで首を突っ込んだけど、この話はちゃんとヴィルヘルムの口から聞くべきだ」
面白がられていることはともかく、直接ヴィルヘルムとやり取りをするべきだと断言されてしまったらアシュリーも何も言えなくなる。
「ただ、うーん……ひとつ言えるとするなら、アシュリーちゃんにとって悪い話ではないと思うよ」
ね、と言い聞かすように言われて、納得はできなかったが、これ以上追及しても、はぐらかされるのが目に見えていた。
「──ヴィルヘルム様、とお話できるように、善処はしてみます」
「善処どころか壁ドンする勢いで迫ってくれていいよ?」
「実行しない方向で検討しておきます」
この人は一体何を言っているのだろう、とは思ったが、間違いなく面白がっていることがわかったので、アシュリーはなるべく冷静に言葉を返した。
残念だなあと、本当にそう思ってるのかわからない声音でローウェルが呟く。
ひとまず、そこで話題が途切れ、ちょうどいいタイミングで扉がノックされた。
「……そのお話、なのですが、今回のお仕事、わたしはきちんと完遂できませんでした。ですから給金は頂けません。……軽率な行動で、館長にもご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした」
「アシュリーちゃんがそう言うなら考えておくけど、ボクは謝罪より、ふたりがちゃんと話し合ってくれた方が嬉しいかなー?」
「そもそもその話って一体、何なんですか? 知ってるなら館長が教えてくれても──」
事情を知っているらしいローウェルが、何度も口にする言葉。そこに突っ込めば、躊躇なくローウェルは首を横に振った。
「それはだーめ。あまりのすれ違いっぷりがおもしろ……悲しくて、ここまで首を突っ込んだけど、この話はちゃんとヴィルヘルムの口から聞くべきだ」
面白がられていることはともかく、直接ヴィルヘルムとやり取りをするべきだと断言されてしまったらアシュリーも何も言えなくなる。
「ただ、うーん……ひとつ言えるとするなら、アシュリーちゃんにとって悪い話ではないと思うよ」
ね、と言い聞かすように言われて、納得はできなかったが、これ以上追及しても、はぐらかされるのが目に見えていた。
「──ヴィルヘルム様、とお話できるように、善処はしてみます」
「善処どころか壁ドンする勢いで迫ってくれていいよ?」
「実行しない方向で検討しておきます」
この人は一体何を言っているのだろう、とは思ったが、間違いなく面白がっていることがわかったので、アシュリーはなるべく冷静に言葉を返した。
残念だなあと、本当にそう思ってるのかわからない声音でローウェルが呟く。
ひとまず、そこで話題が途切れ、ちょうどいいタイミングで扉がノックされた。