転生令嬢は騎士からの愛に気付かない
ふ、と僅かに笑い声がする。視線を上げると、ヴィルヘルムが頬を緩めていた。
それはけして馬鹿にしたようなものではなく、どこか優しげで甘さのようなものが滲む笑みだった。
とくり、とアシュリーの心臓が高鳴る。
「そうか、それは良かった」
「な、何かとヴィ……ライ、ンフェルト副団長にもお気遣い頂いて、ありがとうございましたっ」
「いや……俺は何もできなかったから、ローウェルが少し、羨ましい」
静かな廊下にふたり分の足音と、話し声が響く。
アシュリーはどんな返しをすればいいかわからずに、それきり会話は途切れてしまった。
けれど、もうすぐ館長室──というところで、沈黙に終止符を打ったのはヴィルヘルムだった。
「アシュリー嬢、聞きたいことがあるのだ、が」
どこか力んだ、緊張したような声で切り出される。足を止めたヴィルヘルムに合わせて、アシュリーの足も自然と止まった。
予想以上に近い距離で目が合って、それから少しの静寂のあと、ヴィルヘルムは口を開く。
「……あなただったら、どのような形で想いを告げられるのが一番、嬉しいだろうか」
「え……?」
「いやその、俺の話ではなく、知り合いの話で……好きな女性がいるが、その人にどう気持ちを伝えて良いかわからない、と相談されて、だな」
言葉を選びながら、ヴィルヘルムは言葉を紡ぐ。
今までに彼と世間話のような話をしたことは多かったが、恋愛相談をされたことはなく、アシュリーは少し固まってしまった。
「このようなことを突然尋ねて、すまない」
困ったように言うヴィルヘルムのその言葉に、アシュリーは我に返った。
首を横に振って、慌てて返事をする。
「い、いえ、わたしで、参考になればいいんですが」
「なる。あなたの答えが、俺は聞きたい」
間もなく言葉を返され、真っ直ぐに見つめながら言われてしまい、思わず胸が高鳴った。
距離も近くて、今日は落ち着かない。
それはけして馬鹿にしたようなものではなく、どこか優しげで甘さのようなものが滲む笑みだった。
とくり、とアシュリーの心臓が高鳴る。
「そうか、それは良かった」
「な、何かとヴィ……ライ、ンフェルト副団長にもお気遣い頂いて、ありがとうございましたっ」
「いや……俺は何もできなかったから、ローウェルが少し、羨ましい」
静かな廊下にふたり分の足音と、話し声が響く。
アシュリーはどんな返しをすればいいかわからずに、それきり会話は途切れてしまった。
けれど、もうすぐ館長室──というところで、沈黙に終止符を打ったのはヴィルヘルムだった。
「アシュリー嬢、聞きたいことがあるのだ、が」
どこか力んだ、緊張したような声で切り出される。足を止めたヴィルヘルムに合わせて、アシュリーの足も自然と止まった。
予想以上に近い距離で目が合って、それから少しの静寂のあと、ヴィルヘルムは口を開く。
「……あなただったら、どのような形で想いを告げられるのが一番、嬉しいだろうか」
「え……?」
「いやその、俺の話ではなく、知り合いの話で……好きな女性がいるが、その人にどう気持ちを伝えて良いかわからない、と相談されて、だな」
言葉を選びながら、ヴィルヘルムは言葉を紡ぐ。
今までに彼と世間話のような話をしたことは多かったが、恋愛相談をされたことはなく、アシュリーは少し固まってしまった。
「このようなことを突然尋ねて、すまない」
困ったように言うヴィルヘルムのその言葉に、アシュリーは我に返った。
首を横に振って、慌てて返事をする。
「い、いえ、わたしで、参考になればいいんですが」
「なる。あなたの答えが、俺は聞きたい」
間もなく言葉を返され、真っ直ぐに見つめながら言われてしまい、思わず胸が高鳴った。
距離も近くて、今日は落ち着かない。