【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
それから遅れて数分後、リビングへやってきた武尊さんは、なぜか後ろに腕を回している。
私はそんな彼の元へ歩み寄り、改めてお礼を言った。
「武尊さん、今日は素敵な時間をありがとうございました。とっても楽しかったです」
素直な気持ちを吐露する私を武尊さんは何故か険しい顔で見下ろす。
「あ、あの……武尊さん?」
私ってば、何か怒らせるようなことをしちゃったのかな……?
不安になる私に、武尊さんは何かをぐっと差し出した。
「今日で結婚して一か月が経った。その記念だ。受け取ってくれ」
真面目な顔の彼の手には淡い色彩のブーケが握られていた。
「わあぁ……綺麗!」
ピンク色のチューリップとガーベラに思わず感嘆の声が漏れる。
相当きつく握りしめていたんだろうか。
差し出された持ち手部分の包装紙には彼の指の跡がくっきりと残っている。
「私、こんなに綺麗なブーケをいただいたの初めてです」
落とさないように丁寧に受け取り、笑顔を向ける。ブーケに顔を近付けると、ふわりと甘いお花の匂いがする。
「ピンク色のチューリップが特に可愛いですね」
「ああ。店員が親身になって一緒に選んでくれた。その時、話を聞いてこれが一番小春に似合うと思った」
「すごく嬉しいです。ありがとうございます」
「喜んでもらえてよかった」
すると、武尊さんとふいに目が合った。その瞬間、心臓がドキンッと跳ねた。
彼は愛おしい人を見つめるような熱っぽい眼差しを私に向けてくる。
どうしてそんな風に見つめてくるんだろう……?
彼が結婚一か月の記念日を覚えているのにも驚いた。
結婚してからほとんど顔を合わせることもなかったし、私達の間には最低限の会話しかなかった。武尊さん曰く、学会や論文執筆で忙しかったみたいだけれど、どうして突然こんな……。
素敵な場所でディナーをしつつ結婚指輪を渡され、結婚一か月記念日にブーケのプレゼントまでもらった。
そして今、私は彼から熱烈な眼差しを向けられているのだ。
契約結婚の話が出た際、武尊さんは愛する人がいると私に告げ、その人以外の女性は考えられないとハッキリ言ってのけた。
そんな彼が私をこんな風に見つめるのはなぜだろう。
もしかしたら、私は彼の想い人に似ているのだろうか。
結ばれることのなかった想い人に私を重ね合わせているのだとしたら、彼が私に見せる甘い表情や態度にも説明がつく。
「お花、花瓶に生けて早速お部屋に飾りますね」
「ああ」
私は彼の熱視線から逃げるようにキッチンに立ち、透明の花瓶にお花を生けた。
不思議なことに武尊さんはすぐにリビングから出て行こうとはせず、ソファに腰掛けた。
「武尊さん、お先にお風呂どうぞ。今沸かしますね」
ソファに座る武尊さんに声を掛けると、武尊さんが私を呼んだ。
「まだ眠くなければ、たまには一緒に映画でも観ないか?」
「映画、ですか?」
まさかの提案に驚く私に武尊さんは「ああ」と頷く。
今日一日で、他人行儀だった武尊さんの態度にほんの少しだけ変化が生まれた。 仮初の関係だとしても、今後も武尊さんと暮らす以上、良好な関係を保っていたい。
「いいですね 何見ますか?」
彼の隣に少し距離を開けて腰掛ける。
相談し、有名なミステリー映画を観始めた時だった。
武尊さんがちらりと私を見た。
「俺たちはもう夫婦だろう。なのにこの距離はおかしい」
武尊さんは不満そうに言うと、私の腰に腕を回してぐっと引き寄せた。彼の体に自身の体が密着した途端、心臓が撥ねた。。
私はそんな彼の元へ歩み寄り、改めてお礼を言った。
「武尊さん、今日は素敵な時間をありがとうございました。とっても楽しかったです」
素直な気持ちを吐露する私を武尊さんは何故か険しい顔で見下ろす。
「あ、あの……武尊さん?」
私ってば、何か怒らせるようなことをしちゃったのかな……?
不安になる私に、武尊さんは何かをぐっと差し出した。
「今日で結婚して一か月が経った。その記念だ。受け取ってくれ」
真面目な顔の彼の手には淡い色彩のブーケが握られていた。
「わあぁ……綺麗!」
ピンク色のチューリップとガーベラに思わず感嘆の声が漏れる。
相当きつく握りしめていたんだろうか。
差し出された持ち手部分の包装紙には彼の指の跡がくっきりと残っている。
「私、こんなに綺麗なブーケをいただいたの初めてです」
落とさないように丁寧に受け取り、笑顔を向ける。ブーケに顔を近付けると、ふわりと甘いお花の匂いがする。
「ピンク色のチューリップが特に可愛いですね」
「ああ。店員が親身になって一緒に選んでくれた。その時、話を聞いてこれが一番小春に似合うと思った」
「すごく嬉しいです。ありがとうございます」
「喜んでもらえてよかった」
すると、武尊さんとふいに目が合った。その瞬間、心臓がドキンッと跳ねた。
彼は愛おしい人を見つめるような熱っぽい眼差しを私に向けてくる。
どうしてそんな風に見つめてくるんだろう……?
彼が結婚一か月の記念日を覚えているのにも驚いた。
結婚してからほとんど顔を合わせることもなかったし、私達の間には最低限の会話しかなかった。武尊さん曰く、学会や論文執筆で忙しかったみたいだけれど、どうして突然こんな……。
素敵な場所でディナーをしつつ結婚指輪を渡され、結婚一か月記念日にブーケのプレゼントまでもらった。
そして今、私は彼から熱烈な眼差しを向けられているのだ。
契約結婚の話が出た際、武尊さんは愛する人がいると私に告げ、その人以外の女性は考えられないとハッキリ言ってのけた。
そんな彼が私をこんな風に見つめるのはなぜだろう。
もしかしたら、私は彼の想い人に似ているのだろうか。
結ばれることのなかった想い人に私を重ね合わせているのだとしたら、彼が私に見せる甘い表情や態度にも説明がつく。
「お花、花瓶に生けて早速お部屋に飾りますね」
「ああ」
私は彼の熱視線から逃げるようにキッチンに立ち、透明の花瓶にお花を生けた。
不思議なことに武尊さんはすぐにリビングから出て行こうとはせず、ソファに腰掛けた。
「武尊さん、お先にお風呂どうぞ。今沸かしますね」
ソファに座る武尊さんに声を掛けると、武尊さんが私を呼んだ。
「まだ眠くなければ、たまには一緒に映画でも観ないか?」
「映画、ですか?」
まさかの提案に驚く私に武尊さんは「ああ」と頷く。
今日一日で、他人行儀だった武尊さんの態度にほんの少しだけ変化が生まれた。 仮初の関係だとしても、今後も武尊さんと暮らす以上、良好な関係を保っていたい。
「いいですね 何見ますか?」
彼の隣に少し距離を開けて腰掛ける。
相談し、有名なミステリー映画を観始めた時だった。
武尊さんがちらりと私を見た。
「俺たちはもう夫婦だろう。なのにこの距離はおかしい」
武尊さんは不満そうに言うと、私の腰に腕を回してぐっと引き寄せた。彼の体に自身の体が密着した途端、心臓が撥ねた。。