【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
高校進学時、若菜はこのアパートから徒歩で通える高校を選んだ。
理由は、入学金や施設費などが全額免除となる学業特待生の募集があったからだ。両親を亡くした後の収入源は、私の稼ぎと祖母の年金だけだった。
口には出さなかったものの、それを知っていた若菜が私の負担を減らそうと今の高校に入学したのは間違いなかった。
高二の三者面談で若菜は『高校を卒業したら就職します』と担任の先生に告げた。特待生という名に恥じず、若菜の学力は学年トップクラスだった。先生は驚いて進学を進めたが、若菜は頑なだった。
私はパンフレットをギュッと胸に抱きしめる。
高校時代、同じ問題に直面した私は妹の若菜の気持ちが痛いほどよく分かった。
当時、父を亡くした母は看護師として忙しく働いて私と若菜を女でひとつで育ててくれた。高三になり母は私に大学進学を勧めてくれたが、子どもは私だけではない。
三人が生きていくだけでもギリギリな生活の中、高額な大学費用を負担してもらうのは憚られた。結局、私は医療事務の資格が取れる専門学校へ進学した。
専門学校に入学してからも私は扶養の範囲ギリギリまで働き、自身の学費を補う生活を続けた。母は『学費はお母さんが払うから無理しないでいいのよ。バイト代は自分のことに使いなさい』と言ってくれたけれど、私は頑なに首を縦に振らなかった。
かつて、お金を理由に諦めた大学進学の夢。このままでは妹の若菜も私と同じ道を辿ることになる。
若菜には私のように我慢することなく、伸び伸びとたくさんのことを学んで欲しいと強く思う。
若菜を説得するにはどうしたらいいのだろうと、私は頭を悩ませた。
理由は、入学金や施設費などが全額免除となる学業特待生の募集があったからだ。両親を亡くした後の収入源は、私の稼ぎと祖母の年金だけだった。
口には出さなかったものの、それを知っていた若菜が私の負担を減らそうと今の高校に入学したのは間違いなかった。
高二の三者面談で若菜は『高校を卒業したら就職します』と担任の先生に告げた。特待生という名に恥じず、若菜の学力は学年トップクラスだった。先生は驚いて進学を進めたが、若菜は頑なだった。
私はパンフレットをギュッと胸に抱きしめる。
高校時代、同じ問題に直面した私は妹の若菜の気持ちが痛いほどよく分かった。
当時、父を亡くした母は看護師として忙しく働いて私と若菜を女でひとつで育ててくれた。高三になり母は私に大学進学を勧めてくれたが、子どもは私だけではない。
三人が生きていくだけでもギリギリな生活の中、高額な大学費用を負担してもらうのは憚られた。結局、私は医療事務の資格が取れる専門学校へ進学した。
専門学校に入学してからも私は扶養の範囲ギリギリまで働き、自身の学費を補う生活を続けた。母は『学費はお母さんが払うから無理しないでいいのよ。バイト代は自分のことに使いなさい』と言ってくれたけれど、私は頑なに首を縦に振らなかった。
かつて、お金を理由に諦めた大学進学の夢。このままでは妹の若菜も私と同じ道を辿ることになる。
若菜には私のように我慢することなく、伸び伸びとたくさんのことを学んで欲しいと強く思う。
若菜を説得するにはどうしたらいいのだろうと、私は頭を悩ませた。