【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
そんな彼を労うようにお義父さんが戻って来た彼の肩をポンポンッと叩いた。 
「で、いったいなんだったんだ?」
「子どもにナッツのアレルギーがあるらしい。それで、アレルゲン情報を見せて欲しいと店側に頼んでいたけど、翻訳機を使ってもうまく伝わらなかったみたいだ」
「いいことしたわね。小春さんもカッコいいって漏らしてたわよ」
「小春が……?」
 私の呟きはお義母さんにも聞こえていたようだ。武尊さんは驚いたように私を見つめた。
「はい。すごくカッコよかったです」
「そ、そうか」
 武尊さんを見つめて伝えると、彼は眉間に皺を寄せて首を擦った。
「なんだ、武尊。お前、照れてるのか?」
 その様子を見ていたお義父さんがからかうように言う。
「ほんとだわっ。少し耳が赤い気がするわね」
 お義母さんが意外そうに言う。
「結婚してからあなたずいぶん変わったわね。武尊が女性に褒められてこんな風に赤くなるなんて信じられないわ。小春さんに心底惚れこんでるのね」
「やめてくれ。だから会わせたくなかったんだ。これ以上余計なこと言ったら小春を連れ帰って二度と会わせないからな」
 武尊さんは忌々しそうに言い捨てた。
 その後も食事会は和やかな雰囲気で進んだ。
「うちは男の子しかいなかったから、小春さんがお嫁さんに来てくれて嬉しいわ」
 挨拶もせずに籍を入れたことを咎められるかもしれないと思っていたのに、お義母さんは私を受け入れてくれた。優しいその言葉に感謝すると同時に、私の心はじんわりと温かくなった。
 武尊さんはというと、ご両親と別れるまで終始苦々しい表情を浮かべていたのは言うまでもない。
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