【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
「大きく息を吸って、吐いて」
彼は私の胸の音に全神経を集中させるように一点を見つめる。
医師としての武尊さんの真剣な表情に胸が熱くなる。
「バイタルも胸の音も問題ない。首回り触るぞ」
ひんやりとした武尊さんの指が首筋に触れた。どうやら耳下腺と頸部リンパ節の腫れの有無を確認しているらしい。
「よかった。腫れもない。ひとまず自宅で安静にしていれば問題ないと思うが、俺は専門医じゃない。まだ午前の診察の時間には間に合うし、病院へ行くなら連れて行くぞ?」
ペットボトルのキャップを外して武尊さんが私に手渡す。
私はこぼさないように、スポーツドリンクをゆっくりと飲む込んだ。
乾いていた喉があっという間に潤っていく。
「ありがとうございます。でも、武尊さんが診てくれたので大丈夫です」
武尊さんに感謝しつつ微笑みかける。
「とりあえず、今は体を休めた方がいい」
彼はそっと私をベッドに横たえた。
タオルケットを掛けると、「腹は空いてるか?」と尋ねる。
「いえ。武尊さん、夜勤明けで疲れてますよね。私は大丈夫なので、部屋で休んでください」
そう言った瞬間、その言葉に反して私のお腹からぐぅぅっという重低音がした。
「い、今の聞こえましたよね……?」
「ああ、ばっちりだ。で、本当は?」
「本当はお腹……空いてます……」
熱があるのに食欲があるなんて、きっと食いしん坊だと思われてしまうだろう。
恥ずかしくなって顔を両手で覆い隠す。
「俺には遠慮しないで何でも言ってくれ。とりあえず、何か消化に良い物作って持ってくる。少し待っていてくれ」
「ありがとうございます」
武尊さんはそう言い残すと、部屋を出て行った。目を瞑ると、私は再び夢の中へ吸い込まれて行った。
それからしばらくして、コンコンッというノック音の後、部屋の扉が開いた。
「待たせたな」
武尊さんは熱々の卵粥をお盆に乗せて運んできた。途端、部屋の中に美味しそうな匂いが広がる。
「体調はどうだ? 食べられるか?」
「はい」
私はベッドから降り、ローテーブルの前に腰を下ろした。
「いただきます」
おかゆをレンゲで掬って口に運ぶ。その瞬間、体がじんわりと温かくなった。
「すごく美味しいです」
「レシピサイトを参考に作ったせいで時間がかかった。待たせて悪かった」
「そんな。こうやって作ってもらえて幸せです」
思わず本音が零れる。私の言葉に武尊さんは渋い顔で首を擦る。
今までにも武尊さんが首を手のひらで擦ることは度々あった。もしかしたら、照れた時にする武尊さんの癖なのかもしれない。
お腹が空いていた私は卵粥をぺろりと完食し、武尊さんが持ってきてくれた薬を飲み、再びベッドに入る。
「小春」
すると、武尊さんは眉間に皺を寄せながら私に目を向けた。その表情はどことなく切なげだ。
「どうしてもっと早く具合が悪いと連絡してくれなかったんだ。もし知っていたら急いで帰ってきたのに」
「武尊さんに迷惑をかけたくなくて……それで……」
私の言葉に武尊さんがグッと奥歯を噛んだ。そして、真っすぐ私を見つめた。
彼は私の胸の音に全神経を集中させるように一点を見つめる。
医師としての武尊さんの真剣な表情に胸が熱くなる。
「バイタルも胸の音も問題ない。首回り触るぞ」
ひんやりとした武尊さんの指が首筋に触れた。どうやら耳下腺と頸部リンパ節の腫れの有無を確認しているらしい。
「よかった。腫れもない。ひとまず自宅で安静にしていれば問題ないと思うが、俺は専門医じゃない。まだ午前の診察の時間には間に合うし、病院へ行くなら連れて行くぞ?」
ペットボトルのキャップを外して武尊さんが私に手渡す。
私はこぼさないように、スポーツドリンクをゆっくりと飲む込んだ。
乾いていた喉があっという間に潤っていく。
「ありがとうございます。でも、武尊さんが診てくれたので大丈夫です」
武尊さんに感謝しつつ微笑みかける。
「とりあえず、今は体を休めた方がいい」
彼はそっと私をベッドに横たえた。
タオルケットを掛けると、「腹は空いてるか?」と尋ねる。
「いえ。武尊さん、夜勤明けで疲れてますよね。私は大丈夫なので、部屋で休んでください」
そう言った瞬間、その言葉に反して私のお腹からぐぅぅっという重低音がした。
「い、今の聞こえましたよね……?」
「ああ、ばっちりだ。で、本当は?」
「本当はお腹……空いてます……」
熱があるのに食欲があるなんて、きっと食いしん坊だと思われてしまうだろう。
恥ずかしくなって顔を両手で覆い隠す。
「俺には遠慮しないで何でも言ってくれ。とりあえず、何か消化に良い物作って持ってくる。少し待っていてくれ」
「ありがとうございます」
武尊さんはそう言い残すと、部屋を出て行った。目を瞑ると、私は再び夢の中へ吸い込まれて行った。
それからしばらくして、コンコンッというノック音の後、部屋の扉が開いた。
「待たせたな」
武尊さんは熱々の卵粥をお盆に乗せて運んできた。途端、部屋の中に美味しそうな匂いが広がる。
「体調はどうだ? 食べられるか?」
「はい」
私はベッドから降り、ローテーブルの前に腰を下ろした。
「いただきます」
おかゆをレンゲで掬って口に運ぶ。その瞬間、体がじんわりと温かくなった。
「すごく美味しいです」
「レシピサイトを参考に作ったせいで時間がかかった。待たせて悪かった」
「そんな。こうやって作ってもらえて幸せです」
思わず本音が零れる。私の言葉に武尊さんは渋い顔で首を擦る。
今までにも武尊さんが首を手のひらで擦ることは度々あった。もしかしたら、照れた時にする武尊さんの癖なのかもしれない。
お腹が空いていた私は卵粥をぺろりと完食し、武尊さんが持ってきてくれた薬を飲み、再びベッドに入る。
「小春」
すると、武尊さんは眉間に皺を寄せながら私に目を向けた。その表情はどことなく切なげだ。
「どうしてもっと早く具合が悪いと連絡してくれなかったんだ。もし知っていたら急いで帰ってきたのに」
「武尊さんに迷惑をかけたくなくて……それで……」
私の言葉に武尊さんがグッと奥歯を噛んだ。そして、真っすぐ私を見つめた。