【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
「迷惑なわけがないだろう」
一切の淀みがない確かな口調だった。
「武尊さん……」
「君は俺の妻だ。小春が辛い時、俺は夫として君を支えたい。だから、俺を頼ってくれ」
その温かく心強い言葉に目頭が熱くなる。武尊さんが本心で言ってくれているのが伝わってくる。
武尊さんは手厚く私を看病してくれた。
両親が亡くなってから、私はずっと妹の若菜と高齢の祖母のふたりを支えなければならないという責任を背負って生きてきた。もちろん、誰かから強制されたわけでもふたりから頼まれたわけでもない。
きっと持って生まれた性格なのだろう。今まで誰かに頼ることもせず、必死に生きてきた。
でもあの日、『俺と契約結婚しないか?』と武尊さんに言われて、私は初めて誰かに頼る道を選んだ。
いくら信頼する矢崎院長の教え子とはいえ、初めて会った男性との契約結婚に承諾するなんて自分でも驚きだった。
けれど、今思えばこの人ならばきっと一緒に支え合って暮らしていけるという予感があったのだろう。彼と暮らし始めてからは、それを実感した。
冷めた夫婦関係になると予想していたのに、彼は私を妻として大切に扱ってくれる。
寡黙で厳格な性格の武尊さんだけど、情に厚く人間味のある優しい人なのを私は知っている。
「辛い時は辛いって言っていいんだ。もっと俺に甘えてくれ」
武尊さんはそっと気遣うように私の頭を撫で付ける。その手のひらの温かさに胸がギュッと締め付けられる。
「手……少しの間だけ握っていてもらえませんか?」
「ああ」
そっと武尊さんが私の手を握る。彼の体温が手のひら越しに伝わってきて気持ちが落ちつく。
私を見つめるその瞳は優しくて、つい勘違いをしてしまいそうになる。
……彼には愛する人がいるのだ。詳しくは話してくれなかったが、理由がありその女性とは結ばれなかったのだろう。
今まではまだ自分の気持ちに確信が持てず気付いていながら見て見ぬふりをしていた。だけど、今日改めて気付かされた。
私は武尊さんが好きだ。
彼の特別になりたいという気持ちが日に日に大きくなる。優しくされると嬉しいのに、胸が苦しくなる。
「武尊さん……」
彼を見上げると、武尊さんは私を安心させようとしてか、ぎこちない笑みを浮かべた。そんな優しい彼に胸がいっぱいになる。
「大丈夫だ。今日はずっと小春のそばにいるから」
「ありがとうございます」
今だけは彼に甘えていたい。
私は彼の手の温もりを感じながらそっと目を閉じた。
一切の淀みがない確かな口調だった。
「武尊さん……」
「君は俺の妻だ。小春が辛い時、俺は夫として君を支えたい。だから、俺を頼ってくれ」
その温かく心強い言葉に目頭が熱くなる。武尊さんが本心で言ってくれているのが伝わってくる。
武尊さんは手厚く私を看病してくれた。
両親が亡くなってから、私はずっと妹の若菜と高齢の祖母のふたりを支えなければならないという責任を背負って生きてきた。もちろん、誰かから強制されたわけでもふたりから頼まれたわけでもない。
きっと持って生まれた性格なのだろう。今まで誰かに頼ることもせず、必死に生きてきた。
でもあの日、『俺と契約結婚しないか?』と武尊さんに言われて、私は初めて誰かに頼る道を選んだ。
いくら信頼する矢崎院長の教え子とはいえ、初めて会った男性との契約結婚に承諾するなんて自分でも驚きだった。
けれど、今思えばこの人ならばきっと一緒に支え合って暮らしていけるという予感があったのだろう。彼と暮らし始めてからは、それを実感した。
冷めた夫婦関係になると予想していたのに、彼は私を妻として大切に扱ってくれる。
寡黙で厳格な性格の武尊さんだけど、情に厚く人間味のある優しい人なのを私は知っている。
「辛い時は辛いって言っていいんだ。もっと俺に甘えてくれ」
武尊さんはそっと気遣うように私の頭を撫で付ける。その手のひらの温かさに胸がギュッと締め付けられる。
「手……少しの間だけ握っていてもらえませんか?」
「ああ」
そっと武尊さんが私の手を握る。彼の体温が手のひら越しに伝わってきて気持ちが落ちつく。
私を見つめるその瞳は優しくて、つい勘違いをしてしまいそうになる。
……彼には愛する人がいるのだ。詳しくは話してくれなかったが、理由がありその女性とは結ばれなかったのだろう。
今まではまだ自分の気持ちに確信が持てず気付いていながら見て見ぬふりをしていた。だけど、今日改めて気付かされた。
私は武尊さんが好きだ。
彼の特別になりたいという気持ちが日に日に大きくなる。優しくされると嬉しいのに、胸が苦しくなる。
「武尊さん……」
彼を見上げると、武尊さんは私を安心させようとしてか、ぎこちない笑みを浮かべた。そんな優しい彼に胸がいっぱいになる。
「大丈夫だ。今日はずっと小春のそばにいるから」
「ありがとうございます」
今だけは彼に甘えていたい。
私は彼の手の温もりを感じながらそっと目を閉じた。