【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
「いったい何がおかしいんだ」
「いやいや、ごめん。兄さんのそんな顔見たの初めてで、なんか新鮮だなって」
「そんな顔ってなんだ」
「いいんだって。気にしないでよ」
私はふたりのやりとりを聞きつつ、交互に視線を向ける。
「小春さん、今度またゆっくり。そういえば、さっき食べた生ハムすごく美味しかったんだ。ふたりも食べてみて。じゃあ」
ヒラヒラと手を振って去っていく翔真さんに笑顔で頭を下げる。
翔真さんはすぐに知り合いを見つけたのか、砕けた笑顔で言葉を交わし始めた。
「翔真さんって、すごく感じの良い方ですね」
顔つきは違うけれど、どことなく武尊さんに似ていてすぐに好感を抱いた。
すると、隣にいた武尊さんがチラリと私を見た。
「翔真は俺と違って愛想が良くて人懐っこいから誰からも好かれるんだ。昔から女性にもモテる」
「そうなんですね」
確かにモテそうだ。翔真さんは初対面の私に対しても、砕けた口調で親し気に話しかけてくれた。あんな風に優しくされたら女性はいちころだろう。
とはいえ、私が好きなのは翔真さんではなく武尊さんだ。
私はそっと武尊さんに微笑みかけた。
「確かに翔真さんも素敵ですが、私から見れば武尊さんだってとっても素敵です。救急医としてたくさんの患者さんの命を救う武尊さんを私は心から尊敬しています」
「……そ、そうか」
ありのままを伝えると武尊さんは首を手で擦った。
「小春、ありが――」
「氷室くん、ちょっといいかい?」
すると、年配の男性が武尊さんを呼んだ。どうやら武尊さんの知り合いのようだ。
武尊さんは男性に聞こえないように小さく溜息を吐く。
「すまない。顔見知りの教授だ。少しだけ席を外す。ひとりで大丈夫か?」
「もちろんです。その間、お食事を楽しませてもらっているので、私に構わずゆっくりお話ししてきてください」
「分かった。最悪なことにあの教授はおしゃべりなんだ。できるだけ早く戻る」
武尊さんはそう告げると、足早に私から離れて行く。
その後ろ姿さえも様になりうっとりしてしまいそうになり、慌てて彼から目を逸らす。
ひとりになった私は、ローストビーフや白魚のソテーなど美味しい料理の数々に舌鼓を打った。翔真さんからおススメされた生ハムは驚くほど美味しくてお代わりまでしてしまった。
「こんばんは」
会場の隅に立っていると、唐突に見知らぬ男性が声を掛けてきた。
「いやいや、ごめん。兄さんのそんな顔見たの初めてで、なんか新鮮だなって」
「そんな顔ってなんだ」
「いいんだって。気にしないでよ」
私はふたりのやりとりを聞きつつ、交互に視線を向ける。
「小春さん、今度またゆっくり。そういえば、さっき食べた生ハムすごく美味しかったんだ。ふたりも食べてみて。じゃあ」
ヒラヒラと手を振って去っていく翔真さんに笑顔で頭を下げる。
翔真さんはすぐに知り合いを見つけたのか、砕けた笑顔で言葉を交わし始めた。
「翔真さんって、すごく感じの良い方ですね」
顔つきは違うけれど、どことなく武尊さんに似ていてすぐに好感を抱いた。
すると、隣にいた武尊さんがチラリと私を見た。
「翔真は俺と違って愛想が良くて人懐っこいから誰からも好かれるんだ。昔から女性にもモテる」
「そうなんですね」
確かにモテそうだ。翔真さんは初対面の私に対しても、砕けた口調で親し気に話しかけてくれた。あんな風に優しくされたら女性はいちころだろう。
とはいえ、私が好きなのは翔真さんではなく武尊さんだ。
私はそっと武尊さんに微笑みかけた。
「確かに翔真さんも素敵ですが、私から見れば武尊さんだってとっても素敵です。救急医としてたくさんの患者さんの命を救う武尊さんを私は心から尊敬しています」
「……そ、そうか」
ありのままを伝えると武尊さんは首を手で擦った。
「小春、ありが――」
「氷室くん、ちょっといいかい?」
すると、年配の男性が武尊さんを呼んだ。どうやら武尊さんの知り合いのようだ。
武尊さんは男性に聞こえないように小さく溜息を吐く。
「すまない。顔見知りの教授だ。少しだけ席を外す。ひとりで大丈夫か?」
「もちろんです。その間、お食事を楽しませてもらっているので、私に構わずゆっくりお話ししてきてください」
「分かった。最悪なことにあの教授はおしゃべりなんだ。できるだけ早く戻る」
武尊さんはそう告げると、足早に私から離れて行く。
その後ろ姿さえも様になりうっとりしてしまいそうになり、慌てて彼から目を逸らす。
ひとりになった私は、ローストビーフや白魚のソテーなど美味しい料理の数々に舌鼓を打った。翔真さんからおススメされた生ハムは驚くほど美味しくてお代わりまでしてしまった。
「こんばんは」
会場の隅に立っていると、唐突に見知らぬ男性が声を掛けてきた。