【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
「こんばんは」
突然声をかけられたことに驚きつつもそっと微笑んで頭を下げる。
二十代後半だろうか。小顔で線の細い体つきをした男性は私の向かい側に立ち、まじまじと顔を覗き込んできた。
「こんなところであなたのような美女に会えるなんてまるで神様からのプレゼントだ。きっとこれを運命と呼ぶんですね」
ロマンチックなセリフをにこやかに言ってのける男性に私はどうしたらいいのか分からず立ちすくむ。
「連絡先を教えてください。今度、一緒に食事にでも行きましょう。その後は海岸線をドライブなんていかがですか?」
「あのっ、私――」
「もちろん、食事でなくても構いませんよ」
既婚者だと告げて断ろうとしているのに、男性は私の言葉を遮るように一方的に話続ける。
「行きたい場所があれば教えてください。あなたのような素敵な方からされたお願いなら、私が全部叶えましょう」
間髪入れずに言葉を紡ぐ男性に圧倒される。
「ところで、あなたのお名前は?」
男性が微笑んだ時。
「氷室だ」
低い声がしたと同時に腰に腕が回り、力強く引き寄せられた。途端、男性の顔がすっと青ざめた。
「武尊さん……!」
私の腰を武尊さんはさらに強く抱き寄せた。まるで自分のものだと主張するような武尊さんの態度に驚く。
「俺の妻に何か?」
その声は今まで聞いたことがないぐらい冷たい。
男性に向ける武尊さんの視線は刺すように鋭く、威嚇するように全身から殺気立ったオーラを放っていた。
「あっ……おひとりでいたので……。す、すみません! 私はこれで……」
声をかけてきた男性は武尊さんの登場に逃げるように去っていった。
「大丈夫か? あの男に触れられたり、嫌なことはされていないか?」
男性がいなくなるなり、武尊さんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
いつの間にか殺気は消え、普段通りの武尊さんに戻っている。
「大丈夫です。あの、武尊さん……。迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「謝らなくていい。男達の目を引いてしまうのは小春のせいじゃない。だが、小春は俺の妻だ。他の男に指一本触れられてたまるか」
武尊さんは険しい顔で独占欲を剥き出しにしたように言う。
「今からはずっと俺の傍にいてくれ」
武尊さんは私の腰に回した腕に力を込めた。途端、甘酸っぱい感情が湧き上がってくる。
もしかしたら武尊さんは男性から言い寄られる私を見て、ほのかに嫉妬心を抱いでくれたのかもしれない。
けれど、彼には心に決めた人……愛する女性がいるんだ……。
様々な感情が胸の中で複雑に絡み合う。腰に回された武尊さんの力強い腕の感触にドキドキし、胸を焦がす。
それから武尊さんはパーティが終わるまで私の傍から離れることはなかった。
かろうじてお手洗いに行く時だけは介抱してくれたものの、『また違う男に声をかけられるかもしれない』とトイレの外で待つという徹底ぶり。
ゲストに挨拶に回っている時にも私の腰に回す腕を解こうとはしなかった。
まるで私達の関係を周りに見せつけるかのようだ。私達の姿を見たゲストから「新婚さんはラブラブだなぁ」「奥様、愛されてるわねぇ」とそんな声が飛ぶ。
武尊さんは聞こえていないのか、一切表情を変えなかった。対照的に私は照れくさくてその度に頬を赤らめた。
突然声をかけられたことに驚きつつもそっと微笑んで頭を下げる。
二十代後半だろうか。小顔で線の細い体つきをした男性は私の向かい側に立ち、まじまじと顔を覗き込んできた。
「こんなところであなたのような美女に会えるなんてまるで神様からのプレゼントだ。きっとこれを運命と呼ぶんですね」
ロマンチックなセリフをにこやかに言ってのける男性に私はどうしたらいいのか分からず立ちすくむ。
「連絡先を教えてください。今度、一緒に食事にでも行きましょう。その後は海岸線をドライブなんていかがですか?」
「あのっ、私――」
「もちろん、食事でなくても構いませんよ」
既婚者だと告げて断ろうとしているのに、男性は私の言葉を遮るように一方的に話続ける。
「行きたい場所があれば教えてください。あなたのような素敵な方からされたお願いなら、私が全部叶えましょう」
間髪入れずに言葉を紡ぐ男性に圧倒される。
「ところで、あなたのお名前は?」
男性が微笑んだ時。
「氷室だ」
低い声がしたと同時に腰に腕が回り、力強く引き寄せられた。途端、男性の顔がすっと青ざめた。
「武尊さん……!」
私の腰を武尊さんはさらに強く抱き寄せた。まるで自分のものだと主張するような武尊さんの態度に驚く。
「俺の妻に何か?」
その声は今まで聞いたことがないぐらい冷たい。
男性に向ける武尊さんの視線は刺すように鋭く、威嚇するように全身から殺気立ったオーラを放っていた。
「あっ……おひとりでいたので……。す、すみません! 私はこれで……」
声をかけてきた男性は武尊さんの登場に逃げるように去っていった。
「大丈夫か? あの男に触れられたり、嫌なことはされていないか?」
男性がいなくなるなり、武尊さんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
いつの間にか殺気は消え、普段通りの武尊さんに戻っている。
「大丈夫です。あの、武尊さん……。迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「謝らなくていい。男達の目を引いてしまうのは小春のせいじゃない。だが、小春は俺の妻だ。他の男に指一本触れられてたまるか」
武尊さんは険しい顔で独占欲を剥き出しにしたように言う。
「今からはずっと俺の傍にいてくれ」
武尊さんは私の腰に回した腕に力を込めた。途端、甘酸っぱい感情が湧き上がってくる。
もしかしたら武尊さんは男性から言い寄られる私を見て、ほのかに嫉妬心を抱いでくれたのかもしれない。
けれど、彼には心に決めた人……愛する女性がいるんだ……。
様々な感情が胸の中で複雑に絡み合う。腰に回された武尊さんの力強い腕の感触にドキドキし、胸を焦がす。
それから武尊さんはパーティが終わるまで私の傍から離れることはなかった。
かろうじてお手洗いに行く時だけは介抱してくれたものの、『また違う男に声をかけられるかもしれない』とトイレの外で待つという徹底ぶり。
ゲストに挨拶に回っている時にも私の腰に回す腕を解こうとはしなかった。
まるで私達の関係を周りに見せつけるかのようだ。私達の姿を見たゲストから「新婚さんはラブラブだなぁ」「奥様、愛されてるわねぇ」とそんな声が飛ぶ。
武尊さんは聞こえていないのか、一切表情を変えなかった。対照的に私は照れくさくてその度に頬を赤らめた。