【執着兄弟の溺愛シリーズ】エリート救急医は契約結婚した妻を極上の執着愛で囲い込む
「河合さん、玄関開けてきて大丈夫ですか~?」
「うん、お願いします」
古関さんの言葉に頷く。始業時間になると、扉の外で待っていた患者さんが次々と院内にやってきた。
「佐原さん、おはようございます」
一番最初にやってきたのは、二週間ほど前に胃痛を訴えてやってきた男性患者だった。高齢のため少し耳が不自由で補聴器を装着している。杖を突いて歩く姿はどことなく危なっかしい。
「今日は、先生から検査結果のお話があります。椅子におかけになって少々お待ちください」
受給者証などを受け取った後、私はできるだけ聞き取りやすいようにハッキリ告げる。
佐原さんは「はいよ」と微笑んで頷き、ゆっくりとした足取りで待合室のソファに腰掛けた。
それを見届けてから佐原さんのカルテを探して赤いファイルに入れる。ここでは、介助が必要な方や転倒のリスクのある患者さんのカルテは赤いファイルに入れて看護師へ渡すというマニュアルがある。
「佐原様です。少しお耳が不自由なので、話す際は少し大きめの声でお願いします」
「了解です」
診察室にいた看護師にファイルを渡しつつ、情報共有を行う。
矢崎先生からも院内で働くスタッフ同士が情報を共有する大切さは口酸っぱく言われている。その為、どんなに些細なことでも伝えるようにしている。
受付に戻ると、待合室は患者でいっぱいになっていた。
「今日は混むわねぇ。シャキシャキ動かなくちゃ」
ベテランの鈴木さんがポツリと漏らす。
「そうですね」
休診日の翌日の午前中は比較的混雑することが多い。この日も例にもれず患者の足は途切れない。座りきれず立っている患者さんに気付いてパイプ椅子を運んだりと対応に追われる。
そんな中、午前中の受付終了時間間際に滑り込むように男性がやってきた。六十代の男性は初診で主訴は腹痛だった。
「それでは、カルテ作成のためにこちらの問診票にご記入をお願いします」
問診票を挟んだクリップボードをひったくるように受けとった男性に、一抹の不安が過る。
痛みがあり余裕がないせいか、若干苛立っているように見える。
ドカッと空いている椅子に腰かけると、男性は苛立ったように問診票にペンを走らせる。
しばらくすると「書けたぞ」と声を掛けてきた。
持ってきてくれる気はないと判断した私は受付から出て、男性の前まで歩み寄った。
「ありがとうございます。看護師に呼ばれるまでこちらでお待ちください」
「で、何時に呼ばれる?」
高圧的な物言いだった。私は受け付け内の時計に視線を向けて待合室にいる患者の人数や診察内容から大体の時間を予想する。
「うん、お願いします」
古関さんの言葉に頷く。始業時間になると、扉の外で待っていた患者さんが次々と院内にやってきた。
「佐原さん、おはようございます」
一番最初にやってきたのは、二週間ほど前に胃痛を訴えてやってきた男性患者だった。高齢のため少し耳が不自由で補聴器を装着している。杖を突いて歩く姿はどことなく危なっかしい。
「今日は、先生から検査結果のお話があります。椅子におかけになって少々お待ちください」
受給者証などを受け取った後、私はできるだけ聞き取りやすいようにハッキリ告げる。
佐原さんは「はいよ」と微笑んで頷き、ゆっくりとした足取りで待合室のソファに腰掛けた。
それを見届けてから佐原さんのカルテを探して赤いファイルに入れる。ここでは、介助が必要な方や転倒のリスクのある患者さんのカルテは赤いファイルに入れて看護師へ渡すというマニュアルがある。
「佐原様です。少しお耳が不自由なので、話す際は少し大きめの声でお願いします」
「了解です」
診察室にいた看護師にファイルを渡しつつ、情報共有を行う。
矢崎先生からも院内で働くスタッフ同士が情報を共有する大切さは口酸っぱく言われている。その為、どんなに些細なことでも伝えるようにしている。
受付に戻ると、待合室は患者でいっぱいになっていた。
「今日は混むわねぇ。シャキシャキ動かなくちゃ」
ベテランの鈴木さんがポツリと漏らす。
「そうですね」
休診日の翌日の午前中は比較的混雑することが多い。この日も例にもれず患者の足は途切れない。座りきれず立っている患者さんに気付いてパイプ椅子を運んだりと対応に追われる。
そんな中、午前中の受付終了時間間際に滑り込むように男性がやってきた。六十代の男性は初診で主訴は腹痛だった。
「それでは、カルテ作成のためにこちらの問診票にご記入をお願いします」
問診票を挟んだクリップボードをひったくるように受けとった男性に、一抹の不安が過る。
痛みがあり余裕がないせいか、若干苛立っているように見える。
ドカッと空いている椅子に腰かけると、男性は苛立ったように問診票にペンを走らせる。
しばらくすると「書けたぞ」と声を掛けてきた。
持ってきてくれる気はないと判断した私は受付から出て、男性の前まで歩み寄った。
「ありがとうございます。看護師に呼ばれるまでこちらでお待ちください」
「で、何時に呼ばれる?」
高圧的な物言いだった。私は受け付け内の時計に視線を向けて待合室にいる患者の人数や診察内容から大体の時間を予想する。