【執着兄弟の溺愛シリーズ】内緒の三つ子を出産したら、執念で見つけ出した凄腕パイロットから重たい独占愛を刻み込まれる
長い戦いを終え、俺はすぐさま凛花にメッセージを送った。
【日本に帰って来たよ。あとでお土産渡すね】
 平日の午後だし、凛花は仕事中だろう。
 続けて兄に連絡をして買ってきたイタリア土産を渡したいと告げた。
 すると、偶然にも兄夫婦が公園に向かっていることが分かった。その公園は家までの道中にある。
ならばと空港を出て、俺はその足で公園へ向かった。
 兄夫婦には大和と和香という男女の双子の子どもがいる。一歳になって歩けるようになり、兄夫婦は時間を見つけてはふたりを公園で遊ばせている。 
公園で兄家族と落ち合って無事に土産を渡した俺は久しぶりに会った大和と和香と一緒に遊ぶことにした。
「こないだ一緒に来た時はふたりとも歩けなくて芝生でハイハイしてたのに……。子どもの成長って早いなぁ」
 感慨深くなりポツリと漏らすと兄嫁の小春さんが隣でうんうんと頷きながら穏やかに微笑む。
 そんな矢先、兄のスマホが鳴った。兄は画面を見るなり渋い表情を浮かべた後、電話に出た。
 電話はすぐに終わった。予想通り病院から急な呼び出しがあったようだ。
「翔真、あとは任せていいか? 悪いが小春と子どもたちを家まで送り届けて欲しい」
「うん、いいよ。でも、チャイルドシートだけ俺の車に移し替えてよ」
 俺はポケットから取り出した車の鍵を兄に渡した。
「分かった」
「手伝おうか?」
「いや、ひとりでやった方が早い」
 兄は近くの駐車場へ駆けて行く。
「じゃあ、今日は翔真おじさんとママと大和と和香の四人で遊ぼう!」
 俺の言葉をよく理解できていない大和と和香はキャッキャッと声を上げて大喜びする。
 兄がそんなふたりの姿を見たらきっと険しい顔をしてヤキモチを焼くに違いない。
「翔真さん、すみません。しかも、今日日本に帰って来たばかりなのに……」
 すると、小春さんが申し訳なさそうに謝った。
「全然。ふたりといると仕事の疲れも吹っ飛ぶから」
 俺は小春さんに微笑む。
 兄貴は小春さんと結婚し、ふたりの子どもが生まれてからまるで人が変わったみたいに丸くなった。
 きっと小春さんの影響なのだろう。兄貴が小春さんを見つめる瞳からは、彼女への愛情の深さが伝わってきてこっちまで恥ずかしくなるほどだ。
 兄夫婦と子どもたちを見て、凛花と結婚したいという気持ちが日に日に強くなっている。
「翔真さんも武尊さんみたいに良いパパになりそうですね」
「自分の子どもが生まれたら、可愛くてどうにかなっちゃうかも」
 そんなことを話していると、芝生を歩く大和と和香が短い足でこちらに駆けてくる。
 おいでおいでと手招きして駆け寄って来た大和を抱き上げると、自然と笑みが漏れた。
 ぷっくりした手首ももちもちで柔らかい肌の感触もどれもこれも可愛くてたまらない。
俺は甥っ子や姪っ子にすらデレデレになりお土産を渡す名目で定期的に会いに行ってしまうぐらい溺愛している。
 もし我が子ともなれば、俺はいったいどうなってしまうんだろか。
< 29 / 70 >

この作品をシェア

pagetop