【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「さ、明日も早いしもう寝ようか」

「うん」

 賢哉さんはいつも寝る時、愛おしそうに私を抱きしめてくれる。 その体温が心地良いせいか、私はいつもぐっすりと眠れている。
 逆に賢哉さんがいない日があると、なかなか寝付けなかったりするから、やっぱり賢哉さんがいるのといないのとでは、全然違うなと感じる。
 
「電気消すよ」

「うん」

 賢哉さんの温もりに包まれて、私は今日も心地良く眠りにつけそうだ。

「賢哉さん、おやすみなさい」

「おやすみ、舞美絵」

 やっぱり賢哉さんといる時の私は、気持ちが楽になった気がする。 雪輝と付き合っていた時は、雪輝に相応しい人になろうとして無理をしていた自分がいた。
 それは雪輝と結婚するために、必要なことだと思っていたし、自分がそれが正しいと感じていた。 

 でも今は違う。ありのままの私を見てくれる賢哉さんは、そのままでいていいと言ってくれた。
 大きく着飾る必要もないと、賢哉さんのために頑張りすぎる必要もないと、そう私に言ってくれた。
 その言葉もあり、私は無理をすることをしなくなった。 賢哉さんには、辛い時は辛いとちゃんと言えるようにもなった。

 これは私にとって大きな進歩だし、革命だと思う。 私を必要としてくれる人がちゃんといるんだとわかって、安心もした。
 賢哉さんと一緒にいると、頑張る理由が出来た気がした。 私は私のために頑張ることを、賢哉さんから教えられた。

 賢哉さんは、前に私に言ってくれた。人のために頑張るのと、自分のために頑張るのとでは、頑張るの意味が違うと。
 人のために頑張るよりも、自分のために頑張る方がずっと素晴らしいことだと、そう言ってくれた。
 私はその言葉のおかげで、今があるんだ。
< 106 / 127 >

この作品をシェア

pagetop