【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
□マトリとしての仕事

白か黒か〜賢哉SIDE〜

✱ ✱ ✱


「おはよう、相棒」

「おはよう、寺巻」

 朝ごはんに舞美絵が作ってくれたサンドイッチを食べていると、寺巻が眠そうに出勤してくる。

「お前、昨日また飲んでたのか?」

「ああ、ちょっと飲みすぎたわ」

 俺は寺巻に「水飲むか?」と聞くと、寺巻は「水くれー」と俺に答える。
 ペットボトルの水を寺巻に手渡すと、寺巻は水を勢いよく飲んでいく。

「お前昨日どれだけ飲んだんだよ」

「んーと、昨日はテキーラ結構飲んじゃったね」

 そんな寺巻に「また気になる女でもナンパしたのか?」と聞いてみたが、やはり予想通りナンパしたようだ。

「お前はいいよなー。こうやって朝ごはんとか持たせてくれる奥さんがいるんだろ? 羨ましいねー」

「……お前にはやらないからな。これは俺のために、舞美絵が作ってくれたものなんだ」

 俺の目の前にあるサンドイッチを羨ましそうに眺めている寺巻に、俺は別のボックスを渡した。

「ほら、お前のはこれだ」

「え? 俺のもあるの?」

「舞美絵がお前の分もって作ってくれたんだよ」

 舞美絵は優しいから、大体仕事の時に作ってくれるおにぎりとかサンドイッチは、必ず俺と寺巻の分を持たせてくれる。

 俺は寺巻の分は作らなくてもいいと言っているのだが「一人も二人も変わらないから、大丈夫だよ。張り込みだと買いに行けないでしょ?」といつも寺巻の分も用意してくれる。
 なんて出来た妻なんだろうか、俺のだけでなく寺巻の分まで用意してくれるなんて。

「さすが、やっぱり四之宮の奥さんはいい人だねえ」

 寺巻は俺のことをニヤニヤ見ている。

「俺は作らなくてもいいと言っているんだけどな、毎回」

「そんなこと言ってるの?お前。ひどくない?」
< 107 / 124 >

この作品をシェア

pagetop