【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「出会わなかった方が良かった?」

 四之宮さんからそう聞かれて、私はすぐに「いえ、そういうことじゃないんです。……四之宮さんに出会わなかったら、私の人生はどん底のままだったと思いますし、四之宮さんには感謝しています」と伝えた。

「そっか。なら良かった」

「すみません、誤解させるようなこと言ってしまって」

 変な言い方で伝わってしまったのではないかと思い、ちょっと焦ってしまった。

「ううん、気にしないで舞美絵さん」

 四之宮さんは優しい。 だからこそ、気になることがある。
 
「あの……四之宮さん」

「ん?」

 私はアイスココアを口にすると、「四之宮さんは、私と結婚すること……後悔しませんか?」と問いかけてみる。

「え? 突然、どうしたんです?」

「いや、私たち成り行きで結婚することになったじゃないですか?……その、付き合ってもないのに結婚するわけですし、いつか後悔する日が来るんじゃないかと思って」

 いつかきっと、四之宮さんの口から「離婚」という二文字が浮かび上がるのではないか。そう思ってしまう自分がいて、なんとなく怖いのだ。

「舞美絵さん」

 そんな私の手を握りしめる四之宮さんは、「まだ籍も入れてないのに、離婚なんか出来ないでしょ。……そもそも、俺は離婚するつもりで舞美絵さんと結婚なんかしないですよ」と笑ってくれた。
 
「俺は舞美絵さんと結婚することを後悔はしませんし、これからだって後悔することはないですよ」

「……でも」

 四之宮さんが、もしかしたら同情してくれているだけなのかもしれないと、そう思ってしまう自分がいる。

「俺が離婚する時は、舞美絵さんから離婚を切り出された時だけです」
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