【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「奥さんがいつも俺の分のおにぎりとかサンドイッチも用意してくれて、いつも助かってます。ありがとうございます、本当に」

 寺巻さんは私にお礼を言ってくれる。

「いえ、そんな気にしないでください。張り込みの時とか捜査の時はなかなか食べる時間もないって、夫から聞いてますから。 あんなので良ければ、また作らせてください」

「四之宮ー、お前本当にいい奥さんもらったなー」

 寺巻さんが賢哉さんにそう言ったのに、賢哉さんは軽くあしらうように「お前、うるさいぞ」と寺巻さんの手を退ける。

「奥さん、四之宮のこと、これからもよろしくお願いしますね」

「こ、こちらこそ。夫のこと、よろしくお願いします」

 寺巻さんは賢哉さんのことをよくわかっているのだろう。 相棒というだけあって、賢哉が幸せなのが嬉しいのかもしれない。

「それにしても、料理が全部美味いですね」

「良かったです。 まだたくさんあるので、遠慮なく食べてくださいね」

「じゃあ遠慮なく、お代わりしてもしてもいいですか?」

「もちろんです」

 茶碗を差し出す寺巻さんに、賢哉さんは「お前、人ん家に来て図々しいな」と言っている。

「まあまあ、いいじゃない。たくさんあるし、食べてくれると助かる」

「舞美絵、コイツを甘やかしたらダメだぞ。甘やかしたら、ますますダメ人間になるぞ」

「ダメ人間?」

 え、どういう意味っ!?

「おい、四之宮。お前舞美絵ちゃんのこと困らせたらダメだろー」

「気安く妻の名前を呼ぶな」

「えー、舞美絵ちゃんと呼んでいいって言ってもらえたよ?」

「だから、妻の名前を気安く呼ぶなと言っている」

 そんな二人の会話を見ていると、本当に仲がいいんだなと感じる。 さすが、相棒だ。
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