【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 寺巻さんは「そっか。家ではデレデレなんだー」と賢哉さんを見ている。

「デレデレなんてしてない」

「本当かよー? 舞美絵ちゃんのこと大好きなくせにー」

 寺巻さんがそう言うと、賢哉さんは「……まあ、大好きなのは認める」と答えた。

「ほらー、やっぱりデレデレじゃん」

「デレデレではない」

 賢哉さんの頬をツンツンしている寺巻さんに、賢哉さんは「やめろ。ウザったい、離れろ」と寺巻さんと距離を取る。

「もう、照れちゃってー」

「別に照れてない」
 
 二人がそんな会話をしているのを見ると、私も普段見ない賢哉さんの表情が見れた気がしてなんだか、嬉しかった。
 
「ほら、食ったならさっさと帰れよ」

「えー?もう少しいさせてよー」

 賢哉さんは飽きれたような顔で「図々しいぞ、お前」と寺巻さんに言った。

「もう、わかったよ。帰るよ、帰るから」

「そもそも、居座りすぎだぞ」

 ソファから立ち上がった寺巻さんは「本当に色々と良くしてくれてありがとう、舞美絵ちゃん。 ご飯、めっちゃ美味かったよ」と言ってくれた。

「良かったです。 また、いつでも食べに来てくださいね」

「本当? じゃあまた食べに来ようかな」

「ぜひ」
 
「おい、もう来なくていいからな」

 と賢哉さんは言っているけど、本当はまた来てほしいんだなーと思った。 だって、すごく顔がほころんでるから。

「じゃあ、また来るね。 四之宮、また月曜日な」

「ああ、気を付けろよ」

「おう。 じゃあ、お邪魔しました」

 寺巻さんが帰った後、夕食の後片付けをしていると、賢哉さんが後ろから優しく抱き締めてきた。

「賢哉さん? どうしたの?」
 
「やっと二人になれたなって、思ってさ」
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