【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
□夫としての支え〜賢哉SIDE〜

父親として

✱ ✱ ✱


「舞美絵、体調大丈夫か?」

「うん……大丈夫だよ」

 ベッドに横になる舞美絵に、「なるべく早く帰るから」と告げると、舞美絵のおでこにキスを落とす。

「気を付けてね」

「ああ、行ってくるな」

 つわりで体調が悪い舞美絵を一人にするのは心苦しいが、なるべく早く帰れるようにしたい。

「舞美絵、辛かったら電話して」

「うん、ありがとう」

 舞美絵は俺に少し微笑み、手を振った。
 
「行ってきます」

 寝室から出てそっと家を出ると、俺は仕事へと向かう。

「舞美絵、大丈夫かな……」

 舞美絵から「妊娠している」と告げられたのは、つい一週間前のことだった。 舞美絵が体調不良で病院に運ばれた時、妊娠がわかったようだった。
 舞美絵自身、妊娠しているとわかった時は驚いたみたいだったけど、「産みたい」と言ってくれた。

 俺はその一言が本当に嬉しかった。 親になるという実感なんて、俺はまだこれっぽっちもない。
 だけど舞美絵のために支えになりたいから、俺は俺が出来ることを全うする。 舞美絵がちゃんと、母親になれるように。

「お!おはよう、相棒」

「おはよう、寺巻」

 寺巻は出勤してきた俺に「四之宮、大丈夫か?なんか疲れた顔してるな」と問いかけてくる。

「別に大丈夫だよ」

 単純に舞美絵のことが、心配でたまらないだけなんだが……。

「奥さん元気か?」

「ん? ああ、まあな」

 兎にも角にも、舞美絵のそばになるべくいてやりたい。

「奥さんの手料理、マジで美味かったなー。また食べに行っていい?」

「妻の体調が落ち着いたらな」

「体調? え、なんか奥さん体調悪い感じ?」

 ……しまった。余計なことを口にしてしまった。
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