【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「……ちょっとばかし、体調が悪くてな」

「そうなのか。 それは心配だね」

 寺巻は「体調、早く良くなるといいな」と俺に言ってくれる。

「ああ、そうだな」

 舞美絵の体調が落ち着くまでは、俺がそばにいてやらないと。 一番今が辛い時だからこそ、俺が支えないとならない。
 俺は舞美絵に頼られないとならない存在だから。
 
「……大丈夫かな、舞美絵」

「奥さんのこと、心配だよな」

 しばらくはおとり捜査から外して守らないとな……。張り込み捜査の頻度を少しでも減らしてもらえると助かるけど……。

「まあ、今はそういう時期だから仕方ないさ」

「ん? そういう時期……?」

 しまった……また口を滑らせてしまった。

「……いや、なんでもない。今の言葉は忘れてくれると助かる」

「忘れてくれって言われてもな……聞いちゃったしなー」

 寺巻はニヤニヤしながら俺のことを見ている。

「……顔がうるさいぞ、寺巻」

「顔がうるさい? なんだよ、それ」

 寺巻は「奥さん、なんかの病気じゃないよな?」と心配そうに俺を見てくる。

「病気じゃない。……妊娠だよ」

「妊娠……?」

 寺巻は俺に「え、奥さん、妊娠してるのか?」と俺に聞いてくる。

「ああ。 この間、妊娠してることがわかったんだ」

「妊娠……。そっか、そうなのか」

 寺巻も嬉しいのか「そっか。 お前も、父親になるんだな」と安堵したような表情を見せる。

「まだ全然実感ないけどな」
 
「でもお前は、父親になるんだな。……なんか、感慨深いな」

 寺巻がそう言ってくれたせいか、俺自身も感慨深いと感じている。

「俺さ、こんなに早く子供が出来るなんて……思ってなかった。 だけど、嬉しいものだな」
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