【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 父親になれるという幸せも感じるし、不安ももちろん感じる。

「お前は、いい父親になりそうだな」

「……そうか?」

「だって、お前は優しいだろ?」

 優しいか……。確かに俺は、舞美絵には甘いと思う。 妻だから、優しくするのは当たり前だと思うけど。

「でも、四之宮がパパになるのか。……なんか、楽しみだな」

「なんでお前が楽しみなんだよ」

 俺の方が楽しみだって言うのに……。

「四之宮に子供が産まれたら、子供抱っこさせてもらわないとな」

「はあ? お前、なんで抱く気まんまんなんだよ」

「いいじゃねえの。堅いこと言うなよ、な?」

「……ったく、図々しいな」
  
 でも寺巻はきっと、大切な人を失ったからこそ、人の幸せを誰よりも考えられる人なんだと思う。
 自分の幸せより人の幸せを願うのが、寺巻という人だ。

「子供かあ。 いいよな、子供」

「まあ……今は辛い時期だから、俺が支えてやらないとな」

「頑張れよ、パパ」

 寺巻は俺の肩を叩く。

「……そうだな。頑張らないとな」

 俺は舞美絵のためにも、子供のためにも頑張らないとならない。

「寺巻、四之宮、ちょっといいか?」

「はい」

 上司に呼び出された俺たちは、上司の元へと駆け寄った。


✱ ✱ ✱


「ただいま、舞美絵」

 仕事を早めに終わらせて家へと帰宅すると、リビングの電気が付いていた。

「あ、賢哉さん……おかえりなさい」

 舞美絵はリビングのソファで寝転がっていたが、すぐに起き上がった。

「舞美絵、体調どうだ……?」

「んん……あんまり良くないかな」

 確かに舞美絵の顔色は、あまりいいとは言えない。 顔が色白い感じだ。

「そうか。なんか食べられそうか?」
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