【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「……私も、賢哉さんとこの子がいれば、もう何にもいらないな」

「そうだな」

 私たちは、この子が産まれて来るのを今から楽しみにしてるんだ。 新しい家族が増えることを、心待ちにしている。

「悪阻、平気か?」

「うん、今のところ」

「ゆっくり休んでて、舞美絵」

「ありがとう」

 私は、彼と家族になったあの日から、私の心に灯を灯してくれている。


✱ ✱ ✱


「舞美絵、行ってくるな」

「あ、ちょっと待って」
 
「ん?」  

 私は賢哉さんに朝握ったばかりのおにぎりを手渡した。

「はい、おにぎり。 今日もお仕事頑張ってね」

「いつもありがとう、舞美絵。助かるよ」

 仕事に向かう賢哉さんに「行ってらっしゃい」と手を振った。

「よし、洗濯しよっと」 

 あれから数ヶ月が経ち、私のお腹は以前よりも大きくなった。 無事に安定期を迎えることも出来、お腹の子の経過も順調だ。
 最近ではお腹の子の鼓動を感じるようになり、動くのがわかるようになってきた。 もちろん、出産まではまだまだなので、油断は禁物だ。
  
 悪阻に耐えながらの数ヶ月は本当に辛いことも多かったけど、賢哉さんが隣にいてくれたから頑張って乗り越えることが出来た。
 私は一人じゃないからこそ、頑張れたと思う。

「赤ちゃん、元気ですか? 居心地はいい?」  

 鼓動を感じるようになってから、こうやってたまに赤ちゃんに話しかけたりしているけど、聞こえているのかはわからない。   
 だけどちゃんと感じるその鼓動は、私たちが一番嬉しい。 この子がちゃんと生きているって、一番近くに感じる。
 
「ママとパパは、あなたが産まれて来るのとても楽しみなの」

 お腹の中で動くたび、そう思う。
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