【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
✱ ✱ ✱


「ただいま」

 その日仕事を終えて帰宅すると、キッチンからいいニオイが漂ってくる。 
 このニオイは……唐揚げか?

「ただいま、舞美絵」

「あ、おかえりなさい、賢哉さん」

「やっぱりこのニオイは、唐揚げか?」  

 キッチンから漂ってくるニオイが唐揚げだと思ったが、どうやら唐揚げではないようだ。

「残念。今日の夕飯はチキン南蛮だよ」

「チキン南蛮か。 唐揚げだと思ったんだけどな」

 でも舞美絵の作るチキン南蛮は格別に美味すぎるから、また食べられるのは嬉しい。

「唐揚げはまた今度ね」

「わかった」

「もうすぐ出来るから、着替えてきたら?」
 
「ああ、そうするよ」

 舞美絵の料理が復活してから、俺は食欲が戻ったようにまた食べるようになった。
 今まで料理をあまりしてこなかった代償のせいか、簡単なものしか作れなかった。 最近やっとうどんを茹でるようになったり、パスタを茹でるようになったりはしたけど、そんなものしか出来ない。

 舞美絵に任せっきりにしてたけど、俺もちゃんと料理覚えたいと思うようになった。
 舞美絵が握ってくれるおにぎりの美味しさに気付いたというのもあり、今度舞美絵におにぎりの握り方を教えてほしいとお願いしている。
 流石におにぎりの握り方くらいは、覚えておきたいと思った。  

「舞美絵、お待たせ」
 
 部屋着に着替えてキッチンへ戻ると、食卓に夕飯が並んでいた。

「美味そう」  

「ふふふ。食べよ」

 俺は舞美絵に「いただきます」と手を合わせ、味噌汁を口にする。

「……美味い」  

 舞美絵の味噌汁、本当に美味い。懐かしい感じがするし、ホッとする味だ。

「美味しい?」

「すっごく美味い」
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