【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 舞美絵は嬉しそうに「良かった」と微笑んでいた。

「舞美絵の味噌汁、本当に好きだ」

「ありがとう。そう言ってもらえると、作り甲斐があるよ」

 久しぶりに食べたチキン南蛮もすごく美味くて、箸が進む。

「これこれ、これだよ」

 舞美絵の作るチキン南蛮を食べると、元気が出る。

「美味い……美味すぎる」

「そんなに褒めても、何にも出ないよ?」

「そんなことは望んでないよ」

 舞美絵は「久しぶりにチキン南蛮作ったから、美味しいか不安だったんだけど、美味しいなら良かった」と笑っていた。

「あ、動いた」  

「えっ、本当か?」

「今、動いたよ」

 舞美絵のそばに行き、舞美絵のお腹にそっと手を当ててみる。

「……本当だ。動いた気がする」

 本当に動いてるかはわからないけど、そんな気がした。

「元気に育ってる証だな」

「うん」

 舞美絵のお腹が少しずつ大きくなってきたことで、父親になる実感がちょっとずつ感じるようになった。

「お腹の子が大きくなったら、舞美絵のチキン南蛮食べさせてやりたいな」

「それは嬉しい」

「マジで美味いからな、舞美絵のチキン南蛮は。世界一美味いと思う」
 
 ご飯を食べながら、舞美絵は「ええ?本当に?」とびっくりしている。

「本当だ。舞美絵のチキン南蛮食べたら、他のチキン南蛮は食べられないよ」

「そんな、大袈裟だよ」  

 舞美絵はそう言っているけど、俺にとってそれは大袈裟なことでもなんでもない。

「俺にとっての思い出の味は、このチキン南蛮かな」

「思い出の味かあ。……それは、嬉しいな」

「これからも、たまにこうしてチキン南蛮作ってくれると嬉しい」

 舞美絵は嬉しそうに「それは、もちろん」と微笑む。
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