【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 家で賢哉さんとこうしてご飯を一緒に食べられる喜びがあるって、幸せだ。

「ビーフシチュー、本当に美味しいね」

「ああ、すごく美味い。 舞美絵と一緒に食べているから、より美味いのかもな」

 賢哉さんは微笑みながら「俺は舞美絵と一緒に食べるご飯が、一番美味くて好きだよ」と言ってくれた。

「嬉しい。ありがとう」

 賢哉さんと一緒にご飯を食べる時は、二人で他愛もない話をする。

「最近寺巻のヤツ、いい感じの人がいるらしいんだけどさ」

「え、そうなの?」

 寺巻さんにもついに彼女が……?

「なんか、距離の詰め方がわからないって悩んでるみたいなんだよな」

「距離の詰め方、か……。結構それは難しいよね」

 確かに距離の詰め方って、人によって違うよね。うまい人もいるだろうけど、多分苦手な人の方が多いと思う。

「俺と舞美絵はさ、結婚っていう状態から夫婦をスタートしたわけだから、夫婦としてのスキンシップもそれなりに取れてたと思うけどさ」

「……うん、まあ確かにそうだよね」

 私たちにはもう「結婚」という選択肢があったから、夫婦になればそれなりにスキンシップも取れるし、距離だって詰めることが出来る。

「俺……距離の詰め方、間違ったりしてない?」

「えっ? ううん、全然大丈夫だよ。むしろ私の方が、距離の詰め方間違ったりしてなかった……?」

 私は賢哉さんにキスしてほしいとか、抱いてほしいとか、そういう恥ずかしいことを何度も口にしてしまっていたし……。

「全然間違ってないよ。 むしろ、俺はウェルカムだったしね」

「そ、そう?なら良かった」

 ウェルカムなのなら、良かった……。

「俺と舞美絵は夫婦だろ? 俺は、舞美絵と家族になれて本当に幸せだよ」
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