【完結】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 賢哉さんがそう言ってくれるから、私もつい「私も、今すごく幸せだよ」と微笑んだ。

「いや、俺の方が幸せだ」

「えー、そう?」  

「絶対にそうだ」

 でも賢哉さんの、そんなちょっと頑固なところも愛おしい。
 私は私なりに、幸せの意味を見つけることが出来た。 夫がこの人だから、幸せになれた。

「そろそろ、ベビー用品とかも用意しないとだよね」

「そうだな。 もうそんな時期になってくるのか」

「ね、早いね」

 産まれるのはまだ先だけど、今から用意出来るものは用意しておかないとな。 だけど賢哉さんも仕事が忙しいから、なかなか一緒に買いに行く時間がない。 

 最近は潜入捜査とか、少し時間がかかる捜査とかは減らしてくれてはいるみたいで、なるべく早く帰れるように仕事をセーブしてくれている。
 いつ何があってもいいようにと、おとり捜査も控えてくれている。 私のために仕事をセーブしてくれているのは、嬉しいけど……ちょっと複雑だったりする。

「仕事、本当に大丈夫?」

「大丈夫。 舞美絵は、何も心配しなくていい」

 優しくそう言葉を掛けてくれる賢哉さんは、私の頭を撫でてくれる。

「……私のために、いつもごめんね」

「何言ってる。 舞美絵は、謝ることなんて何もないだろ?」

 その優しい言葉の後で、賢哉さんは私のおでこにキスを落としてくれた。

「舞美絵は、ちゃんと子供のことだけを考えてて」

「……賢哉さん、ありがとう」

 私たちはもうすぐ親になる。初めての子供だから、もちろん不安もある。 
 だけど、私たちは二人で親になっていく。 だから、その不安も二人ならきっと乗り越えていける。

「舞美絵の不安は、俺も一緒に背負っていくって言っただろ?」

「うん」
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