【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 四之宮さんは私の手をそっと握ると、「大丈夫です。舞美絵さんにはもう、俺がいます。 もし同じような人が舞美絵さんの周りにいたとしても、俺が必ずその人たちを救い出しますから」と言ってくれたのが嬉しくて、私は「ありがとう、ございます」と言葉を返した。

「オーバードーズは、確かに今社会問題になりつつあります。 特に学生とかはお金がないから薬物を買うことは出来ない。 だからこそ、安価で買いやすい市販薬を大量に買うことによって、同じ快感を味わえると思っている人がいます」

「安価で、買いやすい……」

 彼女もきっと、そうだったのかもしれない。 気が楽になれば何も考えなくて済むから、でも彼女はお金がなかった。
 だから市販薬を大量に買って服薬することで、自分の生きている意味を見出したかったのしれない。

「だからこそ人は、薬に頼りたい人が多いんだと思います。 自分が楽になるためなら、手段は選ばない。だからこそ、危険ドラッグや大麻に手を出してしまう」

「……そう思うと、悲しい世の中ですね」

 四之宮さんは「そうですね。 まあでも、そんな人たちを助けたいから、俺は麻薬取締官になったんですけどね」と話してくれた。

「どうしてもっと、人に頼れないんでしょうね」

「……え?」

「薬に頼らず、家族とか友達とか、頼れる人がいれば……薬に手を出すこともないし、大麻にも手を出すこともないのになって、思って」

 四之宮さんはコーヒーを口にすると「その気持ち、わかりますよ。……俺だって、いつもそう思ってますしね」と言ってくれる。

「それが出来れば、苦労はしませんよね。……でも、そうはいかないのが現実ですけど」

「私……あの時、四之宮さんに出会いたかったな」
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