【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
四之宮さんが幸せになることを、ご両親はきっと喜んでくれるはずだ。
子供の幸せを喜ばない親なんて、いないと思う。
「舞美絵さん、ありがとう」
優しく微笑む四之宮さんは、嬉しそうにシャンパンを口にした。
「……こちらこそ、ありがとうございます」
私もシャンパンを口にすると、四之宮さんと一緒に微笑んだ。
これがきっと、幸せと言うんだろうな。……こんな幸せを、私は夢見ていたのかもしれない。
「食べたら、少し歩きませんか?」
「はい」
その後食事を終えた私たちは、お店を出た。 支払いは四之宮さんがしてくれた。
「誕生日なんだから、今日くらい甘えてください」
と言われ、甘えることにしたのだった。
「あの、ごちそうさまでした。 お料理、とても美味しかったです」
「いえ。美味しかったですね」
「はい」
なんとなく、私は四之宮さんの左手に目がいった。 隣を歩いてるのに触れそうで触れない、微妙なこの距離にドキドキして、もどかしくなる。
この手に触れてみたいと、そう思ってしまう私がいる。
気づいてほしい、でも気づいてほしくない。 そんな想いが交差していくのを感じた。
「……舞美絵さん?」
ふとそんなことを思い、立ち止まった私に気付く四之宮さんが静かに振り返る。
「どうか、しましたか?」
「いえ、あの……」
この手に触れてみたいと思うのはきっと、私が四之宮さんのことを好きだからなのだと、直感でそう感じた。
「すみません、俺何かあなたに気に触ることでもしましたか?」
四之宮さんはそんな私の様子に気付いて「だとしたら、謝ります。すみません」と謝ってくる。
「……違います」
「え……?」