【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
□夫婦の第一歩スタート

夫婦になって初めての日

✱ ✱ ✱


「今日からよろしくお願いします、四之宮さん」

「あなたも今日から四之宮じゃないですか、舞美絵さん」

「……そうでした」

 月が変わり六月に入ってすぐの大安吉日の日を狙って、私たちは婚姻届を提出した。
 無事に受理もされ、私たちは晴れて正式に夫婦となった。

「今日からば賢哉゙と、名前で呼んでくれると嬉しいけど」

「賢哉……さん?」

「なんで疑問形? まあいいけど」

 夫婦になったばかりの私に、賢哉さんは「舞美絵さんは、かわいい人ですね」と笑っている。

「え? か、かわいい?」

 突然の「かわいい」はびっくりしてしまうので、やめてほしい。

「舞美絵」

「……えっ?」

 今……舞美絵って、呼び捨てにしたよね?

「今日から、舞美絵って呼んでいい?」

「……あ、お好きにどうぞ」

 いきなりの「舞美絵」呼びもびっくりしてしまった。 でも……嬉しい。
 
「じゃあ、舞美絵って呼ぶことにするね」

「はい」
  
 舞美絵……なんか、賢哉さんに呼ばれるのはちょっと特別な感じがある。
 雪輝にも舞美絵って呼ばれてたけど、それとは違う呼ばれ方に聞こえる。

「あのさ、舞美絵」

「はい?」

「ううん、呼んでみただけ」

「えっ?」

 賢哉さんという人が、私は未だにわからないなあ。 クールなように見えかと思えば、ちょっとお茶目なところがあったりするし。 
 
「四之宮、舞美絵か。……いい響きだね」

「確かに。 ちょっと漢字の画数が多くて大変ですけど」

「そのうち慣れるさ」

「……ですね」

 私はもう早瀬舞美絵じゃない。 今日からは、四之宮舞美絵だ。
 早瀬舞美絵という私は、もう過去の人間になった。
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