【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
やっぱり広い部屋だし、私の部屋も用意してもらったけど、本当にそれでも充分に広いと感じる。
「あの、私部屋の荷解きしてきます」
「何かあったら手伝うから、遠慮なく言って」
「はい」
一旦私は賢哉さんの向かいの部屋に行き、扉を開ける。
私は積み重なったダンボールを持ち上げ、カーペットの上に下ろしてテープを外す。
「こんなに重かったけ……」
意外とダンボールって、重いんだな……。腰痛くなりそうだ。
前住んでたアパートにはもう六年くらい住んでて、引っ越しもしばらくしてなかったから、久しぶりのダンボールの重さにびっくりする。
黙々と作業をしていると、部屋の前から「舞美絵、入るよ」と声がする。
「はい」
「大丈夫?何か手伝おうか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
と答えたけれど、賢哉さんは「遠慮しないでって言ったろ。 俺、そこにあるダンボール片付けようか?邪魔じゃない?」と言ってくれるので、「あ、じゃあ……お願い出来ますか」と返事をする。
「もちろん。 ちょうど明日ダンボール回収の日だから、捨ててくるよ」
「ありがとうございます」
「はい、そのダンボールももらうよ」
「あ、はい」
賢哉さんにダンボールを渡した時、ちょうど賢哉さんの手が私の手に触れた。
「あ……すみません」
びっくりした……手が当たっちゃった。
「大丈夫? 痛かった?ごめん」
「ち、違うんですっ!」
何か誤解させてしまったようで、申し訳ない気持ちになる。
「ん?」
「その、嬉しかった、だけです」
賢哉さんの手が触れた時、その優しい温もりが心地よく感じたから。
「やっぱりかわいいね、舞美絵は」
「え……?」