【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「舞美絵」

「賢哉さん? どうしました?」

 バスルームの扉越しに、賢哉さんが「お湯加減どう? 熱くない?」と聞いてくるので、「大丈夫です。ちょうどいいです」と答えた。

「そっか。良かった」

「ありがとうございます」

「後、シャンプーとトリートメントここに置いておくよ」

 そう言われて、持ってくるのを忘れていることに気付く。

「ありがとうございます」

「じゃあ、ゆっくり入りな」

 賢哉さんはシャンプーを置いた後、すぐにバスルームを出て行く。

「本当に、気が利くな」

 お気に入りのシャンプー、あの箱の中から見つけてくれたんだ。
 シャンプーとトリートメントをお風呂場の中へ持ち込み、いつも通りにシャンプーをしていく。

「相変わらず、いいニオイだな」

 このフローラルのいい香りと泡立ち、洗い心地がすごくいい。
 何年使ってるんだろう? もう三年くらい使ってるかな。
 多分リニューアルする前から使ってる気がする。一年くらい前にパッケージとか、成分とかが少しリニューアルされたから。

「この香りが、賢哉さんと同じになるのか……」

 なんか緊張しちゃうし、ドキドキしちゃう。

「今日……するのかな」

 そういえば、私たち今日一応、初夜……なんだよね。

「どうしよう……緊張してきた」

 本来なら初夜だし、そういう雰囲気になってもおかしくないはずだ。
 夫婦なんだから、それは当然のことだし。

「一応……下着、ピンクにしたけど」

 初夜だと思うと、ちょっと下着の色も変えたほうがいいのでは?と思ってしまい、ピンクにした。
 でも……気合い入れすぎると、ちょっと引かれるかもしれないよね? どうしよう、ちょっとこれは悩む……。
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