【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
舞美絵がしたいと言えば、もちろんするけど、今日は……さすがに、無理だろう。
本来なら初夜ではあるが……舞美絵からは、あんまりそういう雰囲気を感じ取れなかった。
「賢哉さんもお風呂どうぞ」
「えっ!? あ、ああ」
いつの間にか目の前に舞美絵がいて、びっくりしてしまった。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。……風呂、入ってくる」
「はい」
俺は一旦寝室へ行くと、寝室の扉を閉める。
「かっこ悪っ……俺」
あんな姿を見せることになるとは……。舞美絵にガッカリされないか、心配だ。
「俺……好きなんだな、アイツのこと」
でも、好きだって言っていいのかわからない。こんなに早く好きになるなんて、思ってなかったから。
舞美絵は優しいし、人思いだし。妻になったらいい妻になる。
「いや、さすがに今日は無理だろ……」
俺が舞美絵に嫌われるようなことをしたら、それこそ離婚したいと言われてしまう。
絶対にダメだ……耐えないと。
俺はバスルームに行き、急いでシャワーを浴びる。 さっき舞美絵に渡したシャンプーで髪の毛を洗うと、舞美絵を抱き締めた時のことを思い出してしまった。
ちょっとだけいつもより短めに髪の毛を洗い、すぐにシャワーで洗い流す。 トリートメントも軽く付けてすぐに洗い流すと、急いで身体を洗う。
「……落ち着け、俺」
舞美絵に嫌われるようなことをしてはダメだ。こうして夫婦になったとはいえ、時間をかけてじっくりと距離を縮めていくのが正解だ。
いきなりグイグイいくのは、あまり良くない。
夫婦とは、ある意味マトリの仕事と一緒だ。 時間をかけて丁寧に捜査をして、証拠を掴んでから踏み込むんだ。