【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 とにかく生き急いではダメだ。じっくりと距離を縮めてからだ。
 そもそもそこからだ、俺たちのスタートは。

「よし、平然とするんだ」

 変に気を遣わせるのは、良くない気がする。

 全体的にシャワーを浴びた後、五分くらい湯船に浸かり気持ちを整える。
 バスルームから上がりタオルで髪の毛を拭いていると、舞美絵の後ろ姿が目に入る。

「おかえりなさい、賢哉さん」

「あ、ああ」

 やっぱり……色っぽいな。 すっぴんなんだよな?今。 
 あんなにかわいいのか、すっぴん。

「……あのさ、舞美絵」

「はい?」

「先に寝てていいから。俺明日の仕事のことで、ちょっと調べてから寝るから」

 一緒に寝てしまってはマズいと思い、何か理由を付けることにした。

「……えっと、じゃあ、それが終わるの待ってていいですか?」

「えっ!?」

「せっかくなので……一緒に寝たいなと」

 舞美絵、君は本気で言ってるのか? いや、気持ちはわかるんだけど……。

「……わかった。じゃあ、一緒に寝よう」

「はい」

 しかし舞美絵の気持ちを無下には出来ず、一緒に寝ることになってしまった。
 
「多分、大丈夫なんですけど……」

「ん?」

「私、寝相悪かったらすみません」

 俺はそれを聞いて思わず笑ってしまった。

「え、なんで笑うんですか?」

「ごめん、ごめん。 そんなこと気にしてるのかと思ってさ」

「だって……気になるじゃないですか。寝る時はもう、一人じゃないので」

 そう言われれば、俺も自分で寝相がどうなのかとか、わからない。 俺も寝相悪かったら、舞美絵に申し訳ないな。

「俺も寝相悪いかもしれないから、先に謝っとくわ。ごめんな」

「じゃあ……お互い様ですね」
< 51 / 127 >

この作品をシェア

pagetop