【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「じゃあ……唇にも、キスしてくれますか?」
「……ん? はっ!?」
突拍子もないことを言われてしまった俺は、反応に困ってしまう。
これは、なんて答えるのが正解なんだ……? 俺には、その答えの正解がわからない。
「……俺をからかうな、舞美絵」
これはきっと、突き放さないとヤバイと直感で感じた。 だけど舞美絵は「からかってなんて、いません」と俺のパジャマの袖を掴む。
「私……本気です。 本気で、言ってます」
舞美絵のそのキレイな目に見つめられたせいか、俺は舞美絵から目が離せなくなる。
「……わかったよ。 わかったから、離してくれ」
「あ、ごめんなさい……」
俺は舞美絵の頭を優しく撫でながら「髪乾かしてくるから、待ってて」とバスルームへ再び向かう。
「おいおい、マジかよ……」
舞美絵、酔ってるわけじゃないよな? 今日は酒は飲んでないぞ? まさか、風呂で逆上せたとか……?
いや、ちょっと待てよ。キスしてほしいってことは……俺との行為を望んでるってことか?
だとしたら、キスしてほしいって言葉もまあ、頷けるんだけど……。
「ああ、わからねえ……」
女心って、マジで難しいな……。俺の自惚れだったら、恥ずかしいってのもあるけど。
とりあえずドライヤーで髪の毛を乾かし、歯磨きを済ませる。
よくわからない気持ちのままリビングへ戻ると、舞美絵はいつの間にかメガネを掛けていた。
「舞美絵、メガネにしたのか?」
「はい。コンタクト外してたので」
「そっか」
舞美絵から「でも、私の目小さく見えませんか?」と聞かれたけど、俺はそんなに小さいとは思わなかった。
「俺はそんなに、気にならないけど」
「そうですか?」