【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「じゃあ……唇にも、キスしてくれますか?」

「……ん? はっ!?」

 突拍子もないことを言われてしまった俺は、反応に困ってしまう。
 
 これは、なんて答えるのが正解なんだ……? 俺には、その答えの正解がわからない。

「……俺をからかうな、舞美絵」

 これはきっと、突き放さないとヤバイと直感で感じた。 だけど舞美絵は「からかってなんて、いません」と俺のパジャマの袖を掴む。

「私……本気です。 本気で、言ってます」

 舞美絵のそのキレイな目に見つめられたせいか、俺は舞美絵から目が離せなくなる。

「……わかったよ。 わかったから、離してくれ」

「あ、ごめんなさい……」

 俺は舞美絵の頭を優しく撫でながら「髪乾かしてくるから、待ってて」とバスルームへ再び向かう。

「おいおい、マジかよ……」

 舞美絵、酔ってるわけじゃないよな? 今日は酒は飲んでないぞ? まさか、風呂で逆上せたとか……? 

 いや、ちょっと待てよ。キスしてほしいってことは……俺との行為を望んでるってことか?
 だとしたら、キスしてほしいって言葉もまあ、頷けるんだけど……。

「ああ、わからねえ……」

 女心って、マジで難しいな……。俺の自惚れだったら、恥ずかしいってのもあるけど。

 とりあえずドライヤーで髪の毛を乾かし、歯磨きを済ませる。
 よくわからない気持ちのままリビングへ戻ると、舞美絵はいつの間にかメガネを掛けていた。

「舞美絵、メガネにしたのか?」

「はい。コンタクト外してたので」

「そっか」

 舞美絵から「でも、私の目小さく見えませんか?」と聞かれたけど、俺はそんなに小さいとは思わなかった。

「俺はそんなに、気にならないけど」

「そうですか?」
< 53 / 127 >

この作品をシェア

pagetop