【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 さっき舞美絵にキスした時、俺の胸は大きくドキドキした。 緊張していたというのも、あるかもしれないけど。

「……あの、賢哉さん」

「ん?」

 舞美絵は俺に「その……しないんですか?」と聞いてくるので、驚いてしまった。

「しないって……何をだ?」

 言いたいことはわかったけど、あえてそう流してみた。

「その……夫婦の営み、と言いますか……」

「えっ!?」

 舞美絵からそんなことを言われるとは、思わなかった。 俺は今、びっくりしている。
 やっぱりピンクの下着を着ているから、そう言っているのか……? ピンクの下着のせいなのか?
 そもそも、これは本気で言ってるのか? 俺にはその心が読めなくて、わからない。

「だって今日は……初夜、ですし」

「まあ、一応そうだけど……」
 
 これはなんて言うべきなんだ? なんて答えるのが正解なんだ? わからねえ……。

「もう遅いし、無理しなくても大丈夫だから」

「無理……じゃないです」

 舞美絵は俺にそっと抱きついてくる。

「……舞美絵?」

「初夜……したくないんですか?」

 したくないと言ったら、それはウソになるかもしれない。 でも……いきなり手を出すのはちょっと、引かれたらイヤなんだが……。

「いや……したくないとかじゃ、ないけど」

「けど……なんですか?」

 この上目遣いは、反則だ。かわいすぎてしまう。

「いきなり君に手を出すのはどうかと、思ってるだけだ」

「……そんなこと、考えてたんですか?」

「考えるに決まってる。 舞美絵に嫌われるようなことは、したくない」

 それを聞いた舞美絵は、「嫌わないですよ。 そんなことで、嫌いになるわけないじゃないですか」と俺の手を握る。
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