【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「……そっか。 ならいいけど」

 嫌わないと言ったと言うことは、そういう雰囲気になっても問題はないということだよな?
 俺はそう解釈したのだが……違うのだろうか。

「舞美絵、ベッドに行こう」

「はい」

 舞美絵の手を引き、ゆっくり寝室へと向かう。

「あの……賢哉さん?」

 寝室の扉を閉めると、舞美絵のことをもう一度抱き締める。 舞美絵から香るあのシャンプーの香りが、鼻から抜けていくのを感じた。

「なんか、緊張しててさ。 二人で寝るの初めてだから、ドキドキしてるんだ思う」

「……私も、ドキドキしてます」

 舞美絵は俺の背中に腕を回すと、抱き締め返す。

「俺の寝相悪かったら、本当にごめんだけど」

「いえ、気にしないです。 私も多分、寝相悪いですし」

「きっと俺のが悪いかもね」

 なんて会話をしたら、少しだけ落ち着いた気がした。

「舞美絵は……したい?」

「えっ?」

 舞美絵をベッドに座せると、そう聞いてみる。

「初夜……したい?」

 俺がそう聞いたのは多分、俺も同じ気持ちだからだと思った。
 そう聞いたら「したい」と答えてくれるのではないか、そう思ったからだった。
 
「私は……正直、したいです」

 その一言で、もう後戻りは出来ないと悟った。

「賢哉さんは……したくない、ですか?」 

「……俺だって、したいよ」

 舞美絵が俺とそういう行為を望んでくれているとわかった以上、ガッカリすることはないと思った。
 
「なるべく、優しくするから」

「……はい」

 舞美絵をそっとベッドに押し倒すと、少しだけ電気を暗めにする。

「舞美絵、もう後戻りはしないよ」

 舞美絵は俺に「しなくて……いいです」と答えた。 
 俺はこの瞬間に、舞美絵のことをめちゃくちゃにしたい気持ちになってしまった。
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