【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「身体、痛くない? 大丈夫?」
「大丈夫です」
正直、賢哉さんとの行為はとても気持ち良かった。 雪輝とも付き合っている時は何度もしていたけど、雪輝としている時の私は、我慢していたのかもしれない。
雪輝との行為より、賢哉さんとの行為の方がずっと気持ち良かった。 幸せだったし、名前を呼んでくれたし……。
「今日は、本当はしないようにしてたんだけどな」
「え、どうして……ですか?」
夫婦になったんだから、初夜はするものだと思っていたんだけど。
「結婚してすぐに手を出したら、舞美絵に嫌われると思ったし。……それに、舞美絵の嫌がることはしないって、あの時約束したし」
賢哉さんはあの時、確かにそんなことを言っていたのを思い出した。 でもそれは、嫌がることでもなんでもないし、自然な行為だと思っていた。
「全然、イヤじゃないです。 むしろ、夫婦なら当たり前のことだと思いますし」
「まあ……それもそうか」
私は賢哉さんにピッタリと身体を寄せて「イヤだったら私……結婚してません、賢哉さんと」と伝える。
「……ありがとう、舞美絵」
優しく頭を撫でてくれる賢哉さんは、私のおでこにキスを落とし「おやすみなさい」と微笑む。
「おやすみ、なさい」
私たちは身体を重ね合ったその姿のまま、ベッドの中で眠りに付いた。
✱ ✱ ✱
あの幸せな初夜から二週間ほどが経った。
現在賢哉さんは仕事で、数日ほど家を開けている。 どうやら麻薬密売組織のアジトを突き止めたとのことで、ここ数日は張り込み捜査をしているようだった。
今回の麻薬密売人は、海外からとあるルートを使って日本に密かに麻薬を密輸しており、それを密売人たちが売り捌いているそうだ。