【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。

妻の手料理〜賢哉SIDE〜

✱ ✱ ✱



「四之宮、お前結婚したって本当なのかよ?」

「ああ、本当だけど」

「なんで俺に言わないんだよ、結婚のこと」

 俺にそう話してくるのは、俺の相棒である寺巻(てらまき)だ。

「わざわざ、お前に言う必要ある?」

「はあ? 相棒には報告するだろ、普通」

 寺巻は不満そうな顔を俺に見せる。

「そもそも、いきなり結婚とかなんだよ。そんな予兆なかったじゃん」

「なんだ、俺の結婚が羨ましいのか?」

 寺巻は「はあ?そんなことねえよ」と言っているが、本当は羨ましいんだと思う。

「俺がお前に結婚したことを報告しなかったのは、めんどくさそうだったからだ」

「おい、めんどくさいってなんだよ。ひどくないか?」

「色々突っ込んでくるだろ? 妻との馴れ初めとか、どんな相手なのかとか」  

「まあ、それは聞きたいよな、普通」

 俺はコーヒーを飲みながら「お前には教えてやらないけどな」と口にすると、寺巻は「お前、マジで意地悪いな」と言い返してくる。

「なあ、教えろよ。どこで出会ったんだよ、奥さんと」

「お前に教える義理はない」
 
 コイツ、言ったそばから聞いてくるし……。俺の話、聞いてねえ。

「そのくらい教えてくれてもいいだろ、ケチだな」

「ケチで結構だ」

 コーヒーを飲む俺に、寺巻は「でもさ、なんか幸せそうだな、お前」と俺を見る。

「まあ、幸せなことは否定しないけどな」

 実際、俺は舞美絵と暮らしてると幸せだし。

「お前、その幸せを少しは俺に分けてやろうとか、ないわけ?」
 
「はあ? そんなものはない」

 寺巻のヤツ、ひがんでるな……。

「相棒なのに?俺ら」

「今相棒は関係ないだろ」

「なあ、奥さんの写真とかないの?」
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