【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


 俺は寺巻に「ない。 まああったとしても、お前には見せないけどな」と答えた。

「お前、マジでケチだな」

 寺巻は諦めたのか、「奥さんの愚痴言いたくなったら、相棒の俺が聞いてやるからな?」とニヤニヤしている。

「お前に妻の愚痴を聞いてもらうつもりはない」

「なんだよ、俺が親切にしてやってるのに」

 寺巻がそう言うので、俺は「別に頼んでない」とだけ返しておいた。

「……おい、寺巻。アイツじゃないか?」

「え?」

 今捜査している麻薬密売組織の一人を、アジトで見つけた。

「ああ、アイツだな」

「アジトはやはり、ここで間違いないみたいだな」

「ああ」

 調べたとおり、ここは麻薬密売組織のアジトで間違いない。

「どうする? 応援呼ぶか?」

 そう俺が聞くと、寺巻は「ここは一旦引き上げるぞ。帰って作戦会議だ」と話した。

「了解」

 俺たちは車を走らせ、厚生局へと戻った。

✱ ✱ ✱

【今日は帰れそうだ】

 数日続いた張り込みから開放された俺は、ようやく家に帰れるということもあり、すぐに舞美絵に連絡をした。

【本当ですか?良かったです】
 
 ようやく数日ぶりに舞美絵と会える。普通に嬉しい。

【これから夕食の買い出しに行くんですけど、何か夕食に食べたいものはありますか?】

 食べたいものか……。舞美絵が作ってくれるものはなんでも美味しいから、なんでもいいんだけど。

【強いて言うなら、和食かいいかな】

 舞美絵が作るきゅうりの味噌漬けがまた食べたい。後、味噌汁も。

【和食ですね。わかりました】

【楽しみにしてる】

 俺はスマホをテーブルに置くと、お茶を飲む。

「へえ、奥さん舞美絵ちゃんて言うんだ?」

「はっ!?」
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